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JPRSの技術者が著者となった標準化過程(Standards Track)RFCが発行
2011年3月11日(米国時間)、JPRSの藤原和典、米国ハーバード大学のスコット・ブラッドナー氏、英国ローク・メイナー・リサーチ社のローレンス・コンロイ氏の3名の共著によるRFC(RFC 6116: "The E.164 to Uniform Resource Identifiers (URI) Dynamic Delegation Discovery System (DDDS) Application (ENUM)")が発行されました。
本RFCは、ENUMの実現のために使われる、DDDSと呼ばれるプロトコルの標準規格を定義するもので、「標準化過程(Standards Track)」に分類されるものの一つです。標準化過程のRFCはプロトコルの標準規格を定める重要なものであり、JPRSの技術者が標準化過程のRFCの著者となるのは、今回が初となります。
ENUMは、さまざまな通信サービスを電話番号という統一的な識別子により、指定・特定できるようにするための技術であり、データの管理にはDNSが用いられます。従来のENUMの標準規格はRFC 3761で定められていましたが、今回発行されたRFC 6116 はこのRFC 3761を置き換えるもので、RFC 3761に存在したあいまいな点を明確化することで標準規格としての品質を高め、このRFCを参照して作成される実装間の相互運用性の向上を実現しています。
RFC 6116
http://www.ietf.org/rfc/rfc6116.txt
■用語解説
*1. 標準化過程
標準化過程(Standards Track)は、IETFにおける標準化プロセスの際に実行される一連の過程をいいます。IETFでは標準化が必要と判断した場合、最初に「標準への提唱(Proposed Standard)」というRFCを作成するための作業が進められます。その後、一定の標準化手順を経て次の段階である「標準への草稿(Draft Standard)」となり、最終的に「標準(Standard)」となります。
*2. DDDS
「Dynamic Delegation Discovery System」の略称。DNSの検索で得られた文字列変換規則を適用することにより、アプリケーション内の文字列をロケーション(URIなど)に変換するシステムをいいます。