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委員会資料

第75回JPドメイン名諮問委員会議事録

株式会社日本レジストリサービス  第75回JPドメイン名諮問委員会  議事録

1. 日    時: 2024年3月12日(火) 16:00~17:00

2. 場    所: 株式会社日本レジストリサービス 東京本社 会議室
              東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館12F

3. 出 席 者: 浦川伸一   委員長
              金子宏直   副委員長
              大津康治   委員
              金井俊夫   委員
              曽根秀昭   委員
              長田三紀   委員
              西潟暢央   委員

4. 同 席 者: 堀田博文  (JPRS 取締役)
              小口信    (JPRS 事務局)
              松丸真紀子(JPRS 事務局)
              米田文彦  (JPRS 事務局)

5. 次    第:

   1. 開会
   2. 議題
      (1) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について
      (2) JPドメイン名におけるドメイン名移転・指定事業者変更手続きの安全
          性向上の取り組み
      (3) その他
   3. 閉会

6. 資    料:

    資料1       第12期JPドメイン名諮問委員会委員一覧
    資料2       JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について
    資料3       JPドメイン名におけるドメイン名移転・指定事業者変更手続き
                の安全性向上の取り組み
    参考資料1   JPドメイン名諮問委員会規則

7.議    事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局)
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<開  会>


《出席状況の報告》


●本日の委員会には、浦川伸一委員長、金子宏直副委員長、大津康治委員、金井
俊夫委員、曽根秀昭委員、長田三紀委員、西潟暢央委員、以上7名全員の出席を
いただいている。従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、
開催に必要な定足数の「委員の過半数」を満たしていることを報告する。

本日、JPRSからは、堀田博文、小口信、松丸真紀子、米田文彦が同席する。


<議題(1) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について>


◎JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について、JPRSより説明いた
だきたい。


[JPRSより資料について説明]
 - 資料2    JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について


○ご説明いただいた、ドメイン名移転や指定事業者変更申請の仕組みを変える取
り組みは非常に良いことだと思う。25スライド目の啓蒙活動についても、取り組
みとしては素晴らしいと思うが、この啓蒙自体の実効性や配布された箇所の網羅
性はどのようなレベルになっているのか。


●すべてを網羅できている、ということではないが、このポスターに関しては、
朝日新聞の取り組みで「おしごと年鑑」が全国の小・中学校に配布されることに
なっており、その「おしごと年鑑」に折り込む形で配布しているため、そういっ
た意味では全国規模の展開がなされている。また、下敷きについては、現状3万
枚ほどご要望いただいており、全国で150校弱に配布している状況である。


○承知した。インターネットが普及して30年近くが経ち、親の世代にとってみる
と当たり前と感じることも増えてきている一方で、かつて電話の仕組みを知らな
くても使うのは当たり前だったのと同じように、インターネットの仕組み自体を
知らない人はたくさんいると思う。インターネットの危険性を親が分からないと
いう状態になっており、啓蒙は大事になってくるだろう。現在の高校生もゆくゆ
くは親になっていくということを考えると、これは株主であるJPNICの意思にも
よると思われるが、キャッシュの面でリッチな会社であるJPRSが、啓蒙活動や
Mルートサーバーの拠点展開活動への予算の割り振りをどうするか、ということ
を戦略的に検討しても良いのではないか。


●この啓発活動の一例として、小・中学校や高等専門学校、大学に出前授業を行
っている。あまり予算はかからないが、インターネットの仕組みをわかってもら
う意味では大事な活動として取り組んでいる。また、ポスターや下敷きに関して
も、数百万円から1千万円程度の予算の中でできているので、そういう意味では
金額をかければ良い、というよりも、上手く広く啓発できる形で活動を行ってい
くことが大事だと考えている。


●ルートサーバーを我々のお金だけでアジアに設置するのは本当に正しいのだろ
うか、というところは社内でも考えている。ルートサーバーをアジアに設置する
ことで、結果的に.jpのウェブサイトがそこから見やすくなるということで、意
味がある。また、コストの話では、JPRSだけでサーバーを設置すると、1カ所に
つき100万円以上かかってしまうが、実際にはローカルの組織や「APNIC 
Foundation」というインターネットのインフラのための財団のプロジェクトに
応募し、そこからお金をもらうという仕組みを使わせてもらっており、ほぼ0円
で各地に展開できている。


○JPNICの方針も関わってくるかと思うが、JPRSの財務諸表を見るとリッチであ
るため、もっと他にお金の使い道があるのではないか、という意図でコメントを
した。


●JPNICとは年に2回、役員レベルでの会合を開いており、インターネット全体に
お互いどのように貢献していくのか、といった議論を行っている。


○JPRSは株式会社でありながら、公共性が高い仕事をしている会社である、とい
うことで引き続きお願いしたい。


○啓発活動をどう広げていくかという話について、「情報」の科目が必修化され
たが、それを担当する資格を持った教員が足りていないという状況である。そう
すると、間接的ではあるが、教員育成の研修先にこういった資料を配る、という
のは結果的には啓発活動の拡大に繋がる一つの方法だと思う。また、こちらは消
費者保護の問題かと思うが、公共科目などの消費者教育の方でもインターネット
の取引におけるトラブルの啓発が行われているかと思うが、ここでも仕組み自体
には言及していないと思われる。同じ学校の中でも、バラバラな科目の先生によ
って指導が行われているということになると思う。今の教材は、どちらかという
とインターネットの仕組みを楽しく学ぼうという形で作られていると思うが、情
報リテラシーと消費者教育の両面で学校への啓発活動や低学年への教育でも利用
できるような教材という視点で開発するのも一つの方法ではないか。


●いただいたご意見をふまえ、検討したい。


○21スライド目で説明があった通り、地方公共団体が、特に一時的にイベント用
として登録していたドメイン名を廃止した後に、その廃止したドメイン名を他者
に登録されるということがニュースになっていた件について、啓発活動として総
務省や横浜市の例が挙げられているが、JPRSだけの責任ではないにせよ、JPRSも
含めたインターネット側からの地方公共団体や中小企業等への働きかけについて
も今後相談していければと思う。JPドメイン名は昔から信頼を得ているのに、こ
ういったことで「ドメイン名を信じてはいけない」という風潮になってしまうと
好ましくない。この点についてはいかがか。


●廃止された後に改めて登録可能になるということは、ドメイン名に共通の特徴
だと思う。そこにどういうリスクがあるのかをユーザーや登録者が理解した上で
使うということが大切なのは、インターネットに限らず、便利なものには共通し
ており、まずはこれを啓発することが大事である。また、啓発する人や組織によ
って、どういうところへリーチできるかも変わってくるので、そういった意味で
は誰と協力して啓発していくのが良いのかということも検討のしどころになるか
と思う。


○こういった内容は情報セキュリティ絡みなので、自治体の場合、情報セキュリ
ティ担当が担当しているのかと思いきや、「ドメイン名は広報が担当である」な
どと言われてしまうことがある。今のお話はそういったことかと思うが、引き続
きよろしくお願いしたい。


<議題(3) JPドメイン名におけるドメイン名移転・指定事業者変更手続きの安全
  性向上の取り組み>


◎JPドメイン名におけるドメイン名移転・指定事業者変更手続きの安全性向上の
取り組みについて、JPRSより説明いただきたい。


[JPRSより資料について説明]
 - 資料3    JPドメイン名におけるドメイン名移転・指定事業者変更手続きの安
            全性向上の取り組み


○認証コードの導入が2023年11月に完了したということで、効果はこれから分か
ってくるのではないかと思うが、こういった対策を講じて何か変わった点があれ
ば教えていただきたい。また、かつて所属していた団体では、コンテンツを作る
際にドメイン名の登録をする機会があったが、詳しい人にお願いする、つまり間
に人を介したりしているので、自分が何をしなければならないのかという認識が
薄い方が結構いる。また、退職等で人の入れ替えがあった際に、それがどのよう
に引き継がれているのか、ということもある。一つ前の議題の中でも話に上がっ
たが、小さい組織に対してどう広報していくか、というのはすごく難しいことだ
と感じている。


●認証コードを導入してからの状況変化について、まだ期間が短く何とも言い難
いところだが、個人的な体感としては、導入完了前は、年に数件ほど誤って指定
事業者変更が行われてしまった旨の問い合わせが来ていたが、今のところはそう
いった問い合わせは観測できていないという状況である。


○承知した。そういう効果が出てくれば良いと思う。


○指定事業者変更は、年間でどれくらい発生しているのか。


●2023年の実績では、指定事業者変更は、属性型、汎用、都道府県型併せて約3万
2千件、ドメイン名移転は約5万3千件である。


○最近、ホスティングサービスの料金が段々上がっていく傾向があって、サービ
スをアップグレードしろ、という案内が来ているが、コスト的に耐えられないと、
より安い事業者にホスティングと併せてドメイン名の管理も依頼しよう、という
こともあるだろう。今は約5万件という数字だが、見通しとしてはこれからさら
に増えていくのか。


◎増えていく可能性はあるかもしれない。


○料金改定が年に1回ではなく、何回か起きることがあり、そうすると他の事業
者に頼むケースが段々と増えてくるのではないか、と思っている。そうすると、
現在は約5万件対応しているものが、仮に倍の件数になったとしても、JPRSとし
ては対応できるという認識で良いか。


●ご認識の通りである。また、件数については、値段によって登録者自身が管理
指定事業者を変更したり、現在約550社いる指定事業者の中でも仕様変更が起き
た結果、管理指定事業者が変わっていたりするということもあり、論理的には増
えていくのではないか。


○ドメイン名というものの意味合いがまだよくわかっていないのだが、これは商
品なのだろうか。少し法律的な見方をすると、ドメイン名を使う権利を取得する、
というような曖昧な形だと思うが、インターネット上のサービスを利用するため
の必需品と考えると、管理指定事業者は、数年前に成立したプラットフォームに
関する二つの法律のうち「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利
益の保護に関する法律」の適用対象になるという理解で良いか。


●当該法律につき現時点では理解が及んでおらず、今この場では回答出来かねる。


○方向性として、サービスをプラットフォームとして提供している事業者はなる
べく悪用されないようにするための措置を講じることや、実際に誰がそれを利用
しているのかという情報を提供することが法律で求められているが、今はJPRSの
仕組みの中で、認証コードのような形で適正な情報を必ず提供させるようにする
という役割を果たしていると思うが、もしドメイン名の扱いがデジタル商品と同
じような形であれば、JPRSの取り組みに加えて利用者が法的な保護を受けられる
可能性があるので、もしそういった話がどこかで出るようであれば、教えていた
だきたい。


●ご指摘の通り、ドメイン名には商品性があり、一度登録したドメイン名を、
我々を介さずに第三者に高く売るというマーケットは、日本ではそこまでないか
もしれないが、世界では少なからず存在する。一般名詞であれば良いが、商標に
近いドメイン名だと誰の権利に帰属するのか、という問題は我々だけでなく、違
うレイヤーも含めて対応していく必要があると思っている。研究したいと思う。


○今話題に上がった商品性の側面については、我々も事業を行う中で、日本の大
手企業等が新商品や新子会社を作り、海外展開をする可能性がある場合、ドメイ
ン名を売ることを目的とするような海外の会社が、その商標のドメイン名をあら
かじめ登録していて、いざ日本企業が海外展開しようとした際に当該ドメイン名
を譲ってくれ、という話をすると、高額な値段が提示されるケースも事実として
存在する。


●そのようなケースに対し、「そういうサービスをこの国で展開するのであれば、
この文字列で登録しておきませんか」と最初から提案するような、ある意味先回
りするサービスを提供する指定事業者もいる状況である。


○今回の課題Aと課題Bに対して対策を講じたということだが、結局それがどう動
いたのか、というところをきちんと検証していくことが必要である。今年1年間
やってみて、足りないところがあれば直していく、という風に進めていくのが良
いと思う。法的にどういう関係にあるかという点は不勉強だが、結局これだけの
対策をしたとして、それでも悪意のある第三者が管理指定事業者を変更してしま
った場合に、一番悪いのは悪意のある第三者だが、我々指定事業者やJPRSとして、
どこに瑕疵があるかというのは曖昧だと思う。まず検証した結果をふまえ、さら
に対策をしつつ、法的に対応する必要があるのかを考えていくことになるかと思
う。


◎認証コードは導入からまだ日が浅いと思うが、導入から3年ほど経った指定事
業者ロック機能については、どう評価しているのか。


●指定事業者ロックについては、万単位のドメイン名に設定されており、一定程
度利用されていると考えている。


●一点補足をしたい。指定事業者ロックは、JPドメイン名全体の10%程度に設定
されている状況である。ただ、この数字はJPRSが指定事業者向けに提供している
指定事業者ロックの設定件数であり、指定事業者自身がJPRSのサービスによらず
にロック機能を作ってエンドユーザー向けに提供するという形もあるため、その
数も合わせると実際には10%より多く指定事業者ロックがかかっているのが現状
だと思う。また、先ほどお話にあった通り、検証は今後行っていく必要があるが、
登録者によっては、認証コードがあれば、指定事業者ロックを設定していなくて
も、自分が認証コードを漏らしてしまわなければ大丈夫だという安心感がある
サービスにはなっていると思う。


<(3) その他>


◎本日、予定されている議題は以上である。その他何かあれば、この場でご意見
いただければと思うが、いかがか。


○異議なし


《今後の予定について》


◎第75回JPドメイン名諮問委員会の議事は終了とする。次回委員会の具体的な日
程については、また後日、事務局より調整させていただく。


<閉  会>

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