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委員会資料

第59回JPドメイン名諮問委員会議事録

株式会社日本レジストリサービス  第59回JPドメイン名諮問委員会  議事録

1. 日 時: 2017年6月15日(木) 10:00 ~ 11:25
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス 東京本社 大会議室 東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F
3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長 武山芳夫 副委員長 金子宏直 委員 三田一博 委員 唯根妙子 委員
4. 同 席 者: 堀田博文 (JPRS 取締役) 宇井隆晴 (JPRS 事務局) 遠藤淳 (JPRS 事務局) 常山敬秀 (JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会 2. 議題 (1) 第9期JPドメイン名諮問委員会 委員長及び副委員長の選任 (2) 答申書「第9期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」 (JPRS-ADVRPT-2016001)への対応について (3) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について (4) その他 3. 閉会
6. 資 料:
資料1 第9期JPドメイン名諮問委員会委員一覧 資料2 JPドメイン名諮問委員会規則 資料3 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2016001への対応 及び第9期JPドメイン名諮問委員会委員の任命 資料4 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について 資料5 JPRSのブランディング活動について
参考資料1 諮問書「第9期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法につい て」(JPRS-ADV-2016001) 参考資料2 答申書「第9期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法につい て」(JPRS-ADVRPT-2016001) 参考資料3 第9期JPドメイン名諮問委員会の委員推薦について
7.議 事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局) ------------------------------------------------------------------------ <開 会>
《出席状況の報告》
●出席状況の報告の前に第9期委員の選任の経過について事務局から報告する。

●2016年10月20日に「第9期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」 の諮問書が本委員会に提出され、2016年12月9日に7つの団体・分野から各1名を 選任するとの答申が行われた。そして2017年2月23日に第9期委員推薦書を諮問委 員会よりJPRSに提示した。
これを受け、JPRSにおいては、2017年3月8日に取締役会を開催し、第9期委員推 薦書に基づき、第9期委員7名の任命を決議した。その後、7名の委員の皆様との 就任手続きが完了し、本日、第9期委員会の第1回目として、「第59回JPドメイン 名諮問委員会」の開催に至っている。

●出席状況の報告に先立ち、大井貴氏が6月11日付けでJPドメイン名諮問委員を 辞任されたことを報告する。 本日の委員会には、金子宏直委員、後藤滋樹委員、武山芳夫委員、三田一博委員、 唯根妙子委員、以上5名の出席をいただいている。 従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な定 足数の「全委員の過半数」を満たしていることを報告する。 なお、丸橋透委員については、本日ご都合によりご欠席の旨、予めご連絡をいた だいている。
本日、JPRSからは、堀田博文、宇井隆晴、遠藤淳、常山敬秀が同席する。

<議題(1) 第9期JPドメイン名諮問委員会 委員長及び副委員長の選任>

●諮問委員会規則第7条に従い、委員長、副委員長については、委員各位の互選 となっており、委員の皆様の意見をいただきたい。

○委員長は引き続き後藤委員にお願いしたい。

●他のご意見はないようである。委員長を後藤委員にてお引き受けいただけるか。

○了承した。(後藤滋樹委員)

◎副委員長は武山委員にお願いしたい。

●他のご意見はないようである。副委員長を武山委員にてお引き受けいただける か。

○了承した。(武山芳夫委員)

●それでは、委員長に後藤委員、副委員長に武山委員が選任されたので、ここか らは議事の進行を後藤委員長にお願いしたい。

◎予定の議題に先立ち、委員の皆様に1点ご相談がある。先の事務局からの報告 の通り、大井貴氏が辞任されたことにより、7人それぞれ7分野で構成するJPドメ イン名諮問委員会において、一分野の委員が空席となっている状況である。後任 を諮問委員会として推薦し、JPRSに任命していただく必要がある。大井貴氏の所 属されていたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社より「指定事業 者」の分野の後任となる委員候補を出していただく形で、調整を進めたいと考え ている。
委員の皆様の同意がいただければ、この方向で対応を進めたいと考えているが、 いかがか。

◎異論が無いようであるため、本日ご欠席の丸橋委員にも事務局から確認の上、 委員の皆様の合意が取れれば、この方向で進めさせていただく。具体的な委員の 推薦手順などは、事務局より案内していただく。

<議題(2) 答申書「第9期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」 (JPRS-ADVRPT-2016001)への対応について>

◎「第9期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」への対応について は、委員会の冒頭で、事務局より経過と対応を報告いただいたので、ここでの報 告はそれをもって代えさせていただく。

<議題(3) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について>

◎「JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況」について、JPRSより説明 いただきたい。

●JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について紹介する。 まず、JPドメイン名も含めたレジストリの状況やドメイン名に関連する新しい市 場などについて資料4を使って紹介させていただく。次に、JPRSのブランディング 活動について、資料5を使って説明させていただく。 それに対して忌憚のない意見をお聞かせいただければと考える。

[事務局より資料について説明] - 資料4 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について - 資料5 JPRSのブランディング活動について

○2点質問がある。まず、資料4の16スライド「学校名の日本語JPドメイン名の 登録申請受け付けに向けた意見募集」について、現在募集中であり、6月末が意 見募集の締め切りであるため意見はまとまっていないかもしれないが、現時点で いただいている意見で紹介できるものがあれば紹介してほしい。
次に、資料5の28スライド「記事広告の評価」について、8割以上が「.jp」を今 後使いたい/提案したいとの結果だったとのことだが、逆に「.jp」を今後使いた くない/提案したくないというものが16.5%あり、こちらの理由について知りたい。 もし理由がわかる場合は、改善していくべきだと思う。

●まず、「学校名の日本語JPドメイン名」について、6月末まで意見募集をして いるが、当初の募集期間であった3月末までの意見はとりまとめている。お問い 合わせが一番多いが、いただいているご意見の中で目立つのは、1つはスケジュー ルに関するご意見である。学校のスケジュールを考慮してほしいという内容であ り、学校の年間スケジュールや予算から執行するための段取り、また、学校の先 生は異動があり、一連のプロセスの中で異動があるとうまく引き継げないことも あるため、それらを考慮したスケジュールを考えてほしいというご意見がある。 もう1つは、学校の名前をドメイン名登録して使うという立場の視点ではなく、 自分の学校の名前がサービスの中で悪用されないか、不当に利用されないか、 守られるのかという視点での、ご質問・ご意見をいただくところがある。今の サービス案だと、どの学校もドメイン名を登録するときは学校の正式名称でなく ても略称などで登録してもよいということになっている。略称にすると他の学校 と被ってしまうことがあるのではないか、正式名称にしても他の学校と同じ名前 のところがあるがその場合はどうなるのか、被りを回避するために△△市立△△ 学校のように長い名前を使ったほうがよいのではないか、というようなご意見も いくつかある。JPRS社内でも事前に検討する際、バランスの問題だと考えたとこ ろであり、長くすれば一意性が上がるがドメイン名として使いにくいものになる、 短くすれば利便性は上がるが被る可能性があるかもしれない、そのようなところ も皆様のご意見も踏まえて、改めて考えて参りたいと思う。
ブランディング活動の「記事広告の評価」について、お話のとおり、ネガティブ な回答の理由を掘り下げることは大事だと思う。今まで個別にいただいたご意見 として、インターネットの世界では「.jp」のローカルさではなくグローバルさ を出していくべきであるから、「.com」や「.net」をお勧めしているというもの がある。逆に(ポジティブな回答の)8割について、日本の会社であるから 「.co.jp」でアピールすべきであるという方もいらっしゃるため、それぞれ皆様 がどのようなお考えの元でサービスをしているかというところであると思う。ま た、「ドメイン名が何か」という種類は気にしていなくて、お客様から「値段を できるだけ下げてほしい」という要望があり、安いドメイン名をお勧めしている 事業者も一部いらっしゃる。大きな企業ではなく、個人事業主やコストを気にす るお客様を相手にサービスをしている事業者が各ドメイン名を比べた結果、安い ドメイン名ということで昨今出てきている新しいドメイン名などを提案している というご意見もある。JPRSとしては「信頼」でサービスをご利用いただきたいと 思っているが、全ての皆様のニーズがそこに全て収まる訳ではないということも あると思う。しかし、そのようなところに対するご理解・訴求は引き続き続けて いきたいと思う。

○今のお話にあった「安心・安全・信頼」について、ブランディング活動の中で 特に展開していけばよいのではないかと思う。私は経団連で活動しているが、そ の中で情報通信委員会も含めて、2017年2月に「Society 5.0実現による日本再興」 という提言をして、経団連の1つの施策ということで打ち出した。これは政府の 成長戦略の骨太の方針の中にも入っている。狩猟社会から始まり、農耕社会、工 業社会、それから情報社会、その後の超スマート社会に、今我々は立っている。
アメリカやEUの人たちと議論する中で、なぜSociety 5.0なのかという話をする と、社会的な広がりがすごく出てきているという話が出る。第4次産業革命や、 あるいはドイツのIndustry 4.0という、どちらかというと産業中心のお話で、そ ういうことでは済まないITの広がりがあり、それは社会全体の問題になってきて いるとのこと。そういうことを思いとして込めて、Society 5.0でやろうという とこでやっている。他の国の人たちと話しても、そういう広がりをもったコンセ プトは良いという評価をいただいている。
そういう広がりを持ってくればくるほど、やはり「安心・安全」で運用される、 特に今日のお話があったような、ツールではなく社会基盤の1つになっているこ とはポイントである。このSociety 5.0の本質的な性格は、人類が今までリアル の世界でずっと生きていたことが、今はバーチャルな世界とあわせて我々は生き ていかないといけないということで、バーチャルな世界の一番根幹を担っている ものはインターネットの技術であり、そこの1つの重要な要素がDNSである。ここ が崩れてしまうと、「安心・安全」というものが成り立たないということを、日 本においてはJPRSが担っているという位置づけだと思う。そういう意味では、日 本が国も含めて、産業界も含めてやっていこうとしているSociety 5.0の実現に 向けた中での、1つの中核な技術を支えていることと連動しながら、このブラン ディング戦略が打ち立てられると、もっといろいろな広がりが持っていけるので はないかと思う。
今日の日本経済新聞にあったが、「Society 5.0はまだ具体的にはいまいちであ る」というような意見もあり、我々も認識をしている。だからこそ、いろいろな 地方と都市の格差や少子高齢化社会など、社会課題をどうやったら解決できるか ということを、議論の中ではなるべく具体的なイメージを作り上げて提示しよう と今回もやっている。そのような流れの中で、このようなインフラがどういう役 割を果たしていくのかということを、1つ肉づけをして提言いただくと、会社の イメージと、日本が向かっていく方向と連動した押し出しができるのではないか ということを考えた。

●お話のとおり、非常に大事だと思っている。Society 5.0などこの先の方向性 は、非常にまだふわっとしているので、一般の方からすると、ふわっとさの中に 「どうなってしまうのか」「これは大丈夫なのか」という大きな不安があると思 う。我々はインターネットの仕組みの一部を担っているが、仕組みや我々がやっ ていることをきちんとお伝えをして、「そういうふうに動いているんだ」「これ はJPRSに任せておけば安心」と思っていただけるようなイメージでやっていきた い。実際の活動も「安心・安全」のためにしっかりやるということが一番大事だ が、そこをきちんとお伝えして、「安心だ」と思っていただくことが必要であり、 大事ではないかなと思っているので、これまで以上にやっていきたいと思う。

◎ご指摘があった「ドメイン名というものはどれぐらい意識するか」について、 一時期「名前は検索すればいいからドメイン名は要らない」という主張もあり、 例えば韓国ではそのような意見が席巻し、ある企業が提案したサービスが広く使 われる時期もあったが、ドメイン名は相変わらず残っている。
ドメイン名の使われ方は変わってきており、IoTを想定すると、1つのドメイン名 の下につながるものが増え、かつ、それを人間が全部直接は見張れないというこ とになる。つまり、今IoTやAIと言われているのは、ようやくコンピュータの使 われ方が本格的になってきたということである。これまでコンピュータは電子文 房具のようなところがあった。それまで手動で行っていた計算を自動でしてくれ る、消しゴムで消さなくても大丈夫になる、印刷をしたものを送るのではなく データ自体で届けるなどである。ドメイン名の数を狙うと必ず劣化してしまうと いう恐れがあるので、数よりは信頼感だと思う。
先ほどの(「.jp」へのネガティブな)理由の中に、例えば「維持料が高い」 「手続上、ローカルプレゼンスがあるから『.co.jp』を登録できない」というこ とは不便であるが、ある意味で(悪い人から)防いでいる。「自動的に登録でき る」「無料で登録できる」「APIで登録できる」ということになると、悪い人は どんどん登録する。これはインターネットのブラックリストのようなものをやっ ている人から言わせると、IPアドレスでやろうと思っても、最近は大体悪い人は データセンターを使うので、IPアドレスは変わらない。
一方、ドメイン名は、昔は2~3日で、今は2~3時間ぐらいで切り換えてくる。例 えば「.xyz」は悪いことに使われることが非常に多いので、慣れた人は「これは 危ないぞ」という感覚になる。ドメイン名も人間がやっていると、2~3時間でで きないので、機械が作る。だから、非常に長くて不自然だ。ドメイン名が登録さ れてどれぐらい時間が経っているかということや、エントロピー計算などをいろ いろ我々はやっているが、それをやると怪しいかどうかが区別がついて、怪しい ものをじっくり調べる。今の話で論文を書いている人がいる。
そのため、まだドメイン名は意識されているし、しかし、ある意味隠れている。 それがIoTやAI時代になると、おそらくより隠れる方向になる。自分ではなくロ ボットやプログラムが自動的にやる。そのときに、ドメイン名が出てくるのであ れば、見張ってくれるAIが動いてくれれば良いので、そういうところに対する技 術的な協力はJPRSでなければできない話がいくらでもある。
一方、世の中では、普通の人が使っているもので、スマートフォンが典型的だが 「.jp」を使われている。しかし、使っているアプリは「.com」もある。そのた め、「.jp」の中だけで暮らしているのではなく、例えばWebのブラウザを見たと きに、自分が見たいものはここにあるが、広告はアドサーバといって別のドメ イン名を普通に引くので、どこにあるかのようなことをユーザーの立場で考える と、どこまでが信頼できる「.jp」かという話は、少し複雑である。これからの 時代は、それがますます目に見えなくなるので、JPRSでなければできない部分に 関しては、しっかり整合する形で国の方針や経済界の話とうまく合うように持っ ていくということは、責任があるだろうし、その点についてJPRSへの期待感があ るのではないか。

◎学校教育について、公立の先生と私立の先生ではマインドが少し違う。公立の 先生は、お話のとおり教育委員会の中で人事異動でかなり回るため「自分の学校」 という感覚は、1つの会社の組織のように教育委員会が1つの単位のようなもので ある。そのため、いくら愛校心のある校長先生でも、人事異動で代わってしまう ため、後のことを考えると公立でドメイン名をどのぐらい登録するかというと、 あまり多くない。私立の場合は、愛校精神が非常にある。先生もあまり異動しな いし、大体は私立を支える団体がいるため、そういう人は非常にこだわる。とこ ろが、そのような学校は△△中学校や△△高等学校という名前ではなく、△△学 園や、あるいは有名な学校は略称で呼ばれていたりする。他の業界でもそういう ものはたくさんある。登記されている会社の名前でなく呼ばれているようなもの がある。そうすると、おそらくJPRSの方は学校だけ優遇する訳にはいかないと話 すと思うが、学校に対してそのような議論もつき合わざるを得ないと思う。
そのときに、先ほどご紹介があった、学校を対象としたイベントにJPRSが長年貢 献されているということは、私が横から拝見する限り、こういうときに役に立ち、 つまり学校教育でオピニオンリーダーのような方は、そのようなイベントに直接 参加していたり、参加していなくてもイベントにJPRSが支援していることをよく ご存じである。そのため、JPRSと直接のやり取りがなくても、JPRSがどのような 存在か知っている方が結構いたので、そういう方が他の先生方にいろいろ説明を してくれているようである。だから、そういった意味ではいろいろな活動がかみ 合ってくると思う。ただ、学校教育のほうは本当にいろいろな意見があると思う。 大変ご苦労なことだが、学校の先生に理解していただき、それが教育という場で 次の世代に伝わることになる。自分が子供のときを考えても、リーダー的な先生 が言うことに、生徒は影響を受ける。そこは非常に重要で、直接子供を教えると いうことは、イベントのときはあり得るが、規模からいってなかなかできない。 そのため、学校の先生に理解していただくということは非常に重要なことだと思 うため、大変ご苦労が多いと思うが、総務省にもいろいろお知恵をいただくこと がよいと思う。

○JPRSのブランディング活動について、いろいろ取り組みをご紹介いただいたが、 ブランドというのは、JPRSのブランドなのか。

●大きく2つあると思っている。1つはJPドメイン名というものに対してのブラン ドイメージ、もう1つは会社としてのJPRSに対するブランドである。「JPドメイン 名はこういうもの」や「安心である」というものが、直接的なサービスとしては 大事だと思うが、それを支えるものとして「JPRSという会社はこういう会社であ る」「JPRSという会社は信用できる」という、会社のブランドも大事だと思って いる。2つの目的で、JPRSはブランディング活動というものを捉えてやってきて いるというのが現状である。

○企業の方針については諮問委員会の話ではないと思うが、先ほど「安心・安全」 が非常に大事というお話が出たけれども「『安心・安全』をつくる主体は誰なの か」は、今のお話の2つだと変わってくると思う。「『.jp』のサービスは大事な ブランドである」であれば、そのブランドイメージを高めるのはJPRSだけではな く、JPドメイン名を使っているユーザーも含めた話のため、そのようなものをお 互いにブランドとして大事にするということになると思う。しかし、「JPRSは ちゃんとしたところで管理している会社である」は、その「安心・安全」はJPRS 自身がやっていることだから、ユーザーのことは考慮しなくてよい。そこが混在 しているような気がしている。
Web制作業者向け広告と中小企業者向け広告には大きな違いがあり、実際にJPド メイン名を使っている側は、中小企業で特に10%ぐらいのため、90%の潜在需要 を呼び起こすことが中心だと思う。「JPドメイン名のサービスを顧客と一緒に高 めていこう」であれば、この中に「安心・安全」をJPRSがサポートしているとい うことが強調される必要がある気がする。何となく「JPRSはちゃんとしたところ だから安心してほしい」では、「そうですね」「そうですか」となるから、顧客 と一緒にJPRSというブランドを高めることがどれほど大切で、「.com」などとは 違うということを言うことができることが「安心・信頼」の根幹だと思う。
それらを強調するものが、ここで挙がっているような広告、いろいろな掲示など には抜け落ちている気がするので、「何となくきれいで楽しそう」だけではなく、 本当に求めているものをダイレクトに伝えることは、それこそ「JPRSは信頼のお ける会社である」にとっては不可欠だと思う。それらをお考えいただくとよいと 思う。
あと、先ほど「.jp」に対してネガティブなWeb制作業者がいるとのことだが、 JPRSのWebページに英語のページがあると思う。ICANNなどの説明が英語になっ ているようなページだが、「.jp」は日本に拠点を置いている企業が登録でき るドメイン名と言うとき「日本のJPドメイン名はいかがか」とお話して、「外 国で日本の伝統工芸品を売りたいのに、JPドメイン名は嫌だ」のように「.com」 などでなければ売れないという誤解を解きたいならば、JPRS自体の英語のWeb ページに「JPRSは『.jp』を介して日本の文化に根付いた、このようなきめ細 かなサービスを提供をしている」「信頼のおける業者が登録している」という ようなコンテンツを載せることが、新規のJPドメイン名を取得して、ビジネス を国際的に展開していきたいと考えているユーザーへの後押しになるので、ぜ ひどこかの業者に翻訳をお願いするだけではなく「.jp」を世界に出すという コンテンツを、JPRS自身がWebページにつけ加えることも考えてはどうだろう かと思った。

◎見る立場の人によって視点が違うという点で、大変貴重なアドバイスをいただ いたと思う。日本語と英語で同じでいいというわけではない。JPRSは充分国際的 にも活躍していて、人材も多いので、ぜひ工夫していただくとよろしいかと思う。

●海外では「.co.jp」は通用しないかというと全然そのようなことはなく、海外 の皆さんにも「.co.jp」は日本の会社のイメージを持って捉えられている。そう いうことを、我々は海外向けのメッセージとしてきちんと伝えることも大事だと 思うし、海外からそういうふうに捉えられるということを、逆に日本国内に対し てもきちんと評価を伝えて使っていただけるような形に動かさなければいけない と思うので、見る人の違い、情報発信の仕方の違いを意識してやっていくことは、 非常に大事な意見をいただいたと思っている。今後に反映していきたいと思う。
日本というイメージを使ってビジネスをしようと思ったときに、JPドメイン名 は非常にストレートに伝える道具になっていると思う。よって、日本の会社が日 本というイメージ、例えば高品質や安心というイメージを持って海外でビジネス をやりたいときに「.com」ではなく「.co.jp」とするところもあるし、逆に海外 にある会社だが日本に入ってきて日本の中でビジネスをするときに、グローバル なイメージではなく日本の中での会社のイメージを作ろうと思い、「.co.jp」を 登録して日本の支社が活動するというときもある。いろいろな目的があるが、そ こにきちんと「.co.jp」のイメージがあるというところに上手にそれぞれの伝え 方をしていかなければいけないと思う。

○「信頼・安心」をどのようにJPRSとして支えているのかということをわかりや すく訴求していくことは重要だと思う。これはなかなか難しくて、我々も会社で システムの開発や運用をやっているが、インフラになればなるほど、誰もが朝来 てパソコンを開けば動いているのが当たり前で、いろいろな資料が出てくるのが 当たり前だと思っているが、それは24時間、裏でいろいろなことをやって支えら れているという面があるが、立場上うまくアピールができていないというところ もあり、おそらくそういう傾向はJPRSの中でもあるのではないかと思う。逆に、 「安心・安全」を打ち出そうとすれば「何によって支えられているのか」をうま く切り出して表現し、広告の中に取り込んでいけば、より具体的なイメージを利 用者も持っていくと思うので、ぜひトライしていただければと思う。

◎説明の工夫が難しいと思う。しかし、鉄道でやっているドクターイエローなど 結構好きな子はいるので、全員ではなくともかなりの方が理解できれば、随分よ いことがあると思う。

○昨年、私の協会のホームページを変えるときに「.com」を「.jp」で作ってほ しいと制作会社に依頼したところ、値段が違うと言われた。そこから話が始まり、 「.jp」にするために協会内で会議を行った。なぜ「.jp」にしたいのかと聞かれ、 やはり「安心・安全」をどう説明するかということに苦労した。
今回、コマーシャルや電子広告を拝見して、今まで知らなかった部分に少し目が 行くという意味で、きっかけとして始まったところだと思う。難しいことをどう 紐を解いていただけるか、易しくしていただけるか。小冊子「ポン太のネットの 大冒険」も中学生からということだが、中身は難しくて高校生、大学生向けで、 漫画だと中学生である。そのギャップをどのように埋めるのかということが課題 だったと思う。
それから私は経済産業省のIoTの会合に出席し、技術者の養成が喫緊だと言われ ているが、若い方、小学生などは、生まれたときから周りがIoTの世界であるた め、そういうときから興味を持っていただいたり、こういう仕組みを知っていた だくという、幼児教育とは言わないにしても、最初に興味を持っていただいたら、 おそらく関わり方が変わってくると思う。技術者向け記事だけではなく、一般誌 にわかりやすく載せていただけるような形で、若い方たちに興味をまず持ってい ただく工夫を、ぜひしていただけたらよいと思った。

◎最近、子供にプログラムをどのように教えるかということで、私のところの同 僚の先生が考えている。プログラムは積み木などが伝統的にあるが、ネットはあ まり良いものがないのかもしれない。

○ゲーム感覚でもよいと思う。

◎業界で考えたほうがよさそうである。今の時代にそういうことが必要だという 感覚は、かなり高まっている。
小冊子「ポン太のネットの大冒険」は要約されているが、もう一段の次の時代を 見据えてというアドバイスをいただいた。確かに時代が進むとともに、ますます 見えなくなる傾向があるが、もし何かあったときには本当に大変で、そのときに なって認識していただいても遅い。ただ、日ごろ当たり前に動いているというこ とをアピールすることも難しい。実は大学のセンターもそうだが、何かあったと きに説明すると「今までそうだったの?」などと言われるが、起きたときはまた 別に大童になってしまうので、それはそれで大変だということである。
本日は、マーケティングに踏み込んだようなアドバイスもいただいた。ただ、ブ ランドは、経済学でブランド論というものがあるように、安売りしているものは ブランドにならないということが、一口で言うと教科書に書いてある話である。 つまり、価値を高めるためには、作っている人だけではなく使う人も含めてブラ ンドが成り立っているということが非常に重要なところである。そういう意味で、 JPRSが頑張っているということは事実だが、JPドメイン名を使っている方と一緒 になり「信頼・安心・安全」が形成されているということは非常に重要なことだ と思う。

《今後の予定について》

◎第59回JPドメイン名諮問委員会の議事は終了とする。次回の委員会の具体的な 日程については、また後日、事務局より調整させていただく。

<閉会>

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