委員会資料
第50回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第50回JPドメイン名諮問委員会 議事録
1. 日 時: 2014年12月16日(火) 10:00 ~ 12:03
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス 東京本社 大会議室
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F
3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長
林一司 副委員長
大井貴 委員
金子宏直 委員
武山芳夫 委員
唯根妙子 委員
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課
河内達哉 課長
4. 同 席 者: 堀田博文 (JPRS 取締役)
常山敬秀 (JPRS 事務局)
宇井隆晴 (JPRS 事務局)
松丸真紀子(JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会
2. 議題
(1) 第7期JPドメイン名諮問委員会委員の交代について
・ご報告
(2) 答申書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン(2LD)
への日本語ラベルの導入について」(JPRS-ADVRPT-2014001)への対応
について
・JPRSからの報告
(3) 諮問書「第8期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADV-2014002)について
・審議
(4) その他
3. 閉会
6. 資 料:
資料1 JPドメイン名諮問委員会 委員一覧
資料2 JPドメイン名諮問委員会委員 推薦書
資料3-1 諮問書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルド
メイン(2LD)への日本語ラベルの導入について」
(JPRS-ADV-2014001)
資料3-2 答申書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルド
メイン(2LD)への日本語ラベルの導入について」
(JPRS-ADVRPT-2014001)
資料3-3 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2014001への対応
資料4-1 諮問書「第8期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法につい
て」(JPRS-ADV-2014002)
資料4-2 JPドメイン名諮問委員会の委員構成に関連する経緯
資料4-3 総務省 情報通信審議会 ドメイン名政策委員会について
資料5-1 ネット取引なんでも110番報告書(速報版)
資料5-2 ネット取引なんでも110番速報集計
参考資料1 JPドメイン名諮問委員会規則
参考資料2 JPRSが都道府県型JPドメイン名の都道府県ラベルに日本語を
導入(2014年11月4日発表 JPRSプレスリリース)
参考資料3-1 情報通信審議会 諮問第20号「ドメイン名に関する情報通信政
策の在り方」
参考資料3-2 情報通信政策部会 ドメイン名政策委員会 構成員一覧
参考資料3-3 ドメイン名に関する情報通信政策の在り方について
最終報告書 概要版
<平成25年10月1日付 諮問第20号>
参考資料3-4 ドメイン名に関する情報通信政策の在り方について
<平成25年10月1日付 諮問第20号>最終報告書
7.議 事:(◎は委員長、○は委員、◇は河内達哉課長、●はJPRS取締役及
び事務局の発言)
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<開 会>
《出席状況の報告》
●第7期JPドメイン名諮問委員会委員として就任いただいていた、原隆一委員が、
6月20日付で辞任され、後任の方については、諮問委員会より大井貴様を推薦い
ただいた。これを受け、JPRSにおいては、11月5日に取締役会を開催し、推薦書
に基づき、大井貴様に諮問委員に就任いただくことを決議した。その後、
大井貴様より就任へのご承諾をいただき、本日の委員会に委員として参加いただ
いている。以上、委員の交代につき、その手続きと経過について報告した。
本日の委員会には、後藤滋樹委員長、林一司副委員長、大井貴委員、武山芳夫委
員、唯根妙子委員、以上5名の出席をいただいている。従って、JPドメイン名諮
問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な定足数の「委員の過半数」
を満たしていることを報告する。
なお、金子宏直委員については、本日ご都合により、途中からのご参加となる旨、
予めご連絡をいただいている。
また、本日は議題(3)「諮問書『第8期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法に
ついて』(JPRS-ADV-2014002)について」を議論いただくため、後藤委員長の指示
により、JPドメイン名諮問委員会規則第12条1項に基づき、委員以外の方として
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課 課長 河内達哉様に諮問
委員会へのご出席をお願いしている。
本日、JPRSからは、堀田博文、宇井隆晴、松丸真紀子、常山敬秀が同席する。
◎今説明のあった通り、今回は次期委員選任方法に関する諮問が行われるにあた
り、当事者である日本政府の意見も聞くことが必要であると考え、ICANNの政府
諮問委員会(GAC)に日本政府代表として参加されるなど、ドメイン名やIPアド
レスなどのインターネット資源管理に関する国内外の議論に政府を代表して参加
されている総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 データ通信課より、河内課
長のご出席をいただいている。河内課長より、一言ご挨拶をいただければと思う。
◇去年の10月に情報通信審議会の中にドメイン名政策委員会という委員会を設け、
ドメイン名に関する情報通信政策のあり方について議論いただき、今年の10月に
ドメイン名政策委員会としての報告書をまとめていただいた。正式には明後日の
情報通信審議会総会で最終答申いただくことになっている。この報告書の中で、
JPドメイン名諮問委員会について、より多様な意見を反映する、より客観性を高
める、というような観点から、政府もメンバーとして入るべきではないかという
ご提案をいただき、本日そのご議論をいただけるということで、是非よろしく議
論いただきたい。
◎河内課長、ありがとうございました。
<議題(1) 第7期JPドメイン名諮問委員会委員の交代について>
◎「第7期JPドメイン名諮問委員会委員の交代について」については、先ほど事
務局より報告いただいたので、ここでは割愛する。大井委員より、一言ご挨拶を
いただければと思う。
○NTTコミュニケーションズの大井です。7月からネットワークサービス部長とい
う立場になった。国内国際の企業向けにOCNやオープンネットワークのビジネス
の推進を担当している。インターネットは、国内国際問わず重要性を増しており、
今回、JPドメイン名諮問委員会に入り、その発展に貢献したい。よろしくお願い
したい。(大井委員)
<議題(2) 答申書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン
(2LD)への日本語ラベルの導入について」(JPRS-ADVRPT-2014001)へ
の対応について>
◎JPRSより、都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン(2LD)
への日本語ラベルの導入について報告をお願いしたい。報告に入る前に、まずは
事務局より前回委員会からの経緯を報告いただき、その後、導入状況について
JPRSより報告いただきたい。
[事務局より資料について説明]
- 資料3-1 諮問書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン
(2LD)への日本語ラベルの導入について」
(JPRS-ADV-2014001)
- 資料3-2 答申書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン
(2LD)への日本語ラベルの導入について」
(JPRS-ADVRPT-2014001)
[取締役堀田博文より資料について説明]
- 資料3-3 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2014001への対応
○速やかに実施されて良かったと思う。国レベルで地方創生というキーワードで
色々な政策が動いている中で、時宜の合った施策ではないかと思う。国の政策と
連動できるとさらに活用され、普及していくのではないか。そのような点からの
PR活動・展開をお願いしたい。また、すでに200件程度の登録があるということ
であったが、どういう実態になっているのか定期的に報告をお願いしたい。
●承知した。
◎何か問題が起きていないか。
●防御登録の必要が無いため、使いたい時に使うということができるので、登録
数的にはスロースタートに見えるが、本当に使いたい人が考えてから登録してい
る状況であり、良いスタートを切れていると思う。
○インターネットユーザーへのPRについてはどうか。
●本サービスが開始されたというプロモーションとは別に、教育啓発の点から取
り組むことが必要だと思っている。都道府県型JPドメイン名固有のものではなく、
ドメイン名の文字列が少しでも違えば別のドメイン名であるという点、混乱回避
のために色々な仕組みがあるという点、この2点を伝えていくことが必要かと思
う。JPRSとしては、教育的な活動を行ってきているが、リテラシーというところ
からドメイン名を理解いただきながら、ドメイン名というものはこういう風に扱
われる、というところまでを伝え続けることが大事であると考えている。教育的
な活動は過去から取り組んでいるが、サービスを説明していくなかで、そのよう
なメッセージを織り込んでいくことが必要という認識を持っている。都道府県型
JPドメイン名に関してもプロモーションを始めたタイミングであり、これからそ
のようなメッセージを織り込んでいくことを検討している。
◎もともと地域に根ざした活動をされているような方から要望がきっかけであっ
たと聞いている。そういう方々の上手い活用事例が広まるようにお願いしたい。
●「○○.jp」といった記号を用いた書き方をするとイメージしにくい。実際に
いくつか魅力的な事例が出てくるとイメージしやすくなる。日本語ラベルの魅力
的な事例が出てきているという状況になってきているので、事例を上手く活用し
ながら地域の活性化といったところにもアピールしていきたい。
○日本語セカンドレベルを用いた都道府県型JPドメイン名を他の人に委譲した例
はあるのか。申請時は、「○○.<都道府県(ASCII)>.jp」と
「○○.<都道府県(日本語)>.jp」は同じ人が登録・運用するとしていたが、本
当にその形で使う方が多いのか、別々で使いたいという要望があるのかわかるよ
うであれば教えてほしい。
●データを持ち合わせていない。後日ご報告したいと思う。
◎今回、混乱させないようにするところがポイントだったと思う。DRPにおいて、
ドメイン名とドメイン名がぶつかるとなかなか紛争の決着がつきにくいのではな
いかと思う。実際の運用を含めて注意深く見守ってほしい。
<議題(3) 諮問書「第8期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADV-2014002)について>
◎諮問書の内容について、JPRSより説明いただきたい。
[取締役堀田博文より資料について説明]
- 資料4-1 諮問書「第8期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADV-2014002)
- 資料4-2 JPドメイン名諮問委員会の委員構成に関連する経緯
◎以前の諮問委員会で、ドメイン名政策委員会について紹介があったが、その後
の動きについて事務局から報告をお願いしたい。
[事務局より資料について説明]
- 資料4-3 総務省 情報通信審議会 ドメイン名政策委員会について
◎JPNICにおける検討結果について紹介したい。当時、JPNICは、政府については
公共性の担保としてJPNICとJPRSが上手くやっているかチェックする機構が移管
契約でつくられておりその情報は政府に報告する仕組みがあり、また、JPRSは民
間の会社であり、あまり政府が直接入らなくても良いのではないか、ということ
を言った。その後の経緯は、先ほど資料4-2に記された通りである。
そして、JPNICでは理事会で検討し、JPドメイン名諮問委員会に政府を代表する
方に参加いただくのが適切だろうという結論になった。当時言ったことと違って
くるが、政府においてもインターネットが国民生活を支える重要な社会的な基盤
であり、あらゆる活動に使われるということで運営の環境や基盤を強化すること
は国の方針でもあり、政策としても色々展開されている。ドメイン名に関する安
全性・信頼性については政府でも検討されている。その中でも民間の活力が重要
であるということで、政府と民間が協力・連携して推進するということになって
きている。それはJPNICとしても賛成する。
また、ICANNで色々な議論が行われ、ガイドラインやルールが作られている。そ
こに対して日本の政府からも積極的に参加されている。この機会に見直して、日
本政府を代表する委員の方に加わっていただくのは適切であるとJPNICとして意
見を取りまとめた。
◇ドメイン名政策委員会から答申をいただき、政府としてもJPドメイン名諮問委
員会に政府が入るべきではないかと考えている。たとえば、グローバルなICANN
という議論の場で、政府が主導するということではなく、色々なマルチステーク
ホルダーの1つとして政府が入り、多様な意見を反映しているように、政府が他
の皆様と同じ立場で意見を言うと良いのではないかと考えている。
◎日本国政府というと抽象的だが、政府の方の活動を考えると、データ通信課が
適切なガイドをしていただけるのではないかと思う。日本国政府というと幅広い
ので、委員として参加いただくとすれば議論に参加いただく方を具体的にするの
が良いと思う。
○私が所属している経団連の企画部会の1つの柱として、政府と一緒になった活
動がある。総務省の情報通信国際戦略局がアメリカとインターネットエコノミー
についての局長級の対話を始めているが、民間も参加してはということで2年半
前の東京会合の時に参加し、以来東京とワシントンでの会合にその都度参加し
ている。日本では経団連、アメリカは在日の米国商工会議所、これらが一緒になっ
てそれぞれの政府に対し、民間からの提言を毎回出している。
最近では今年の9月にワシントンで会合があり、日米のインターネット政策につ
いての提言を行った。その中で、インターネットの自由で公平な環境を維持し
ていただきたいと両国政府にお願いをした。その中のキーワードとして、マル
チステークホルダー方式があり、多様な利害関係者の意見を聞きながらインター
ネットのガバナンスを確立していくということを経団連としても正式に表明さ
せていただいている。今回の件についてもそのような流れの中で考えれば当然
のごとく、政府も重要なステークホルダーとなってくるので、このJPドメイン
名諮問委員会に入って議論するということについて私としては全く異論は無い
し、経団連としてもそのような考えで進めている。
○インターネットユーザーとしては何か起きればやはり政府に頼らざるを得ない。
私は消費者委員会の委員をやっているが、総務省にはインターネットのユーザー
環境の中での透明性・公平性、思わぬ部分について法整備が足りないということ
について建議を出させていただいたと思う。政府がドメイン名についても動き出
されているということもあり、政府が民間の事業者の委員会に入ることはイレギュ
ラーなのかどうかというところの判断はわからないが、入っていただくことは心
強いと思う。
○日本国政府という場合、2つの側面がある。法律や管理・監督という側面、グ
ローバルな場でどういう議論がなされているのか、あるいは社会インフラ的な観
点から見てどうなのかという側面。後者は、グローバル、かつ幅広に見ている総
務省の方にステークホルダーとして入っていただくということかと思う。当初、
民間企業の内部組織に日本国政府が参加することについて云々という話は、恐ら
くその時の日本国政府の位置づけは前者の法律や管理・監督という視点だったの
ではないか。
日本国政府とした場合の受けるニュアンスとして2つの側面があり、その1つは、
法律等による管理・監督であり、民間企業あるいはインターネットにそれを持ち
込んでしまうと、活力を削ぐという側面がある。しかし、グローバルにおける色
々な動向や社会インフラ的な点からの色々な政策の側面というのはステークホル
ダーとして必要になる。恐らく後者としての役割を求められているかと思う。前
者と後者を区分けして捉えられると良いかと思う。日本国政府と言った時の表現
の意味するところをどうするか、ということだと思う。
◇両側面あり得ると思う。データ通信課は両側面を持っており、インターネット
資源管理に関する政策の企画立案、ICANN政府諮問委員会(GAC)の政府代表という
立場を持っている。私の立場であれば、ステークホルダーとしてその両側面から
意見を言うことでも良いかと思う。
○ステークホルダーを増やしてきちんと意見を集約することは非常に大事だと思
う。ステークホルダーがこれで十分かという議論は残っているかと思う。政府が
インターネットを管理するという風に捉えられないよう説明を上手くしないと、
変にJPRSが管理下に入ったようなニュアンスにとられかねない。そうするとかえっ
てマイナスになる可能性がある。日本国政府という重みをどう切り分けていくか
というところが大切かと思う。ステークホルダーであることがきちんと説明でき、
広い意見の集約であるというところがきちんと出せれば良いと思う。
◎ITUなどでの議論でもかなり意見が対立しているところである。単に一行程度
のニュースで伝わった時に、それの解釈が懸念を呼ぶようなことは本来のものと
は違うという指摘かと思う。きちんと説明しないとそこの部分だけ強調されると
誤解を生んでしまう。
◇欧米・日本とロシア・中国との対立関係の議論があり、日本は自由なインター
ネットを支持する立場にいる。グローバルな議論の中での日本国政府の姿勢をき
ちんと見せていくことで、表面的な懸念というのは払拭できるかと思う。政府と
いうものは立場がいつ変わるかわからないと言われればそうかもしれないが、日
本国政府はこれまでずっと自由なインターネットを支持していきている。WSISや
WCITの議論の中での日本政府というのは欧米と同じ立場に立っており、そのよう
な立場をこれからも見せ続けるつもりであり、そういう姿勢を合わせて示してお
けば今回日本国政府が入ったからといって管理色を強めるというような疑念は払
拭できるかと思う。
○色々な委員会に出ているが、なぜ「行政機関」ではなく「日本国政府」なのか。
◇あまり意識せず使っている。「政府」という場合は「行政」を指している。意
味を持たせているわけではない。
◎表現は考えた方が良いかもしれない。
○そういう点も考慮しないといけないと思うが、基本的にはJPRSの経営の独立性
は担保されていると思うので、JPドメイン名諮問委員会というものの役割は何か
といえば、ユーザーや利用者のパイプ役ということが一番求められているかと思
う。その時に、昨今のセキュリティ面での問題など、色々な要素がある中で最適
なパイプを作って答申していくことが機能として求められているとすれば、その
中に政府がステークホルダーとして入り、意見を出していただいて、それを参考
にしながらより良いものにしていくという観点であれば、そういう懸念は払拭さ
れるのではないかと思う。あとは対外的な説明をしっかりしていくということで
はないかと思う。
◎懸念があるということはそれだけ関心事であることだと思うので、説明をして
理解を深めてもらうことが必要かと思う。IT基本法の第7条に政府の役割が書い
てあるが、民間主導で行うと謳っている。他の政策もそれと整合するような形で
進められていると思う。
○JPドメイン名諮問委員会規則を見ると、JPドメイン名諮問委員会は定款に基づ
いて設置されるとある。JPドメイン名諮問委員会自身で、委員会の構成メンバー
を6名から人数を増やすということと、そこの中に本日議論のあった二面性を持っ
たステークホルダーとして政府が入るということを決めて良いのか。
●JPドメイン名諮問委員会をどうするのかについてはJPドメイン名諮問委員会に
任されている。最初に決めた時に、経営からの独立性をなるべく持たせた方が良
いだろうということからJPドメイン名諮問委員会自身が自分たちの進む方向を決
めるということで委員会規則が作られている。従って、独立性を持って動いてい
ただくことがそもそものJPドメイン名諮問委員会のコンセプトである。最後の採
否はJPRS取締役会が決めることになるが、リーズナブルな提案があればお受けす
ることになる。
●補足をすると、参考資料1としてJPドメイン名諮問委員会の規則を付けている。
第17条に規則の改定の条文があり、「この規則は取締役会の決議により改定する
ことができる」とあり、改定の最終権限はJPRS取締役会が持っている。ただし、
第2項があり、取締役会が規則の改定を行う場合には本委員会に諮問しなければ
ならない。逆に言うと、答申を受けて改定をしなければならないということになっ
ている。第5条に委員の定数についても書かれており、「本委員会は委員6名をもっ
て構成する」とある。議論の結果、政府という立場から1名加えて7名とする場合
には、いつもいただいている推薦という手続きの前に規則の変更が必要になる。
委員の定数を7名にするという変更になるが、この場合には、その旨を答申いた
だけるとJPRS取締役会としてはそれを受けた検討ができる。
◎従って、諮問委員の定数を6名から7名にする場合、規則の改定が必要というこ
とを合わせて指摘する必要がある。
○第5条の2項だが、「本委員会に諮問し」で終わっており、その後の答申が無い
表現になっている。
◎考える必要がある。
◎本日の議論では、政府に加わっていだたくことについては委員の皆様において
賛成であると思う。ただ、留意しなければいけない事項をいくつかいただいた。
表現の方法や、方針が変わることの意図が誤解なく伝わるようにする点、「日本
国政府」なのか「行政機関」という表現なのかという点。他のところとの一貫性
もあると思うので、事務局と私の方で答申書(案)を作成し、委員の皆様に確認
いただきたい。目途としては次の委員会は例年であれば2月か3月になるので、そ
の前にメールにて確認をいただく方法を取らせていただきたい。
●事務局で後藤委員長の指示を仰ぎながら答申書(案)を作成するが、方向性
をいただいた方が良い点が2つある。1つは、推薦をいただく際、政府からの委
員として、「河内課長」という個人名を書くより役職名で書く方が良いのかと
いう点。もう1つは、データ通信課だとする根拠についてである。根拠となる
ものがないか探したところ、「インターネットドメイン利用推進官」がデータ
通信課に置かれていることが判った。
◇それに加えて、ICANNのGACで政府代表になっているということでどうか。
●それでは委員会が終わった後に、答申書への記述方法について事務局とデータ
通信課で相談し、文案を作成した上で、委員会にてご議論いただくこととしたい。
◇了解した。
◎委員の任期は2年の年度区切りになっており、通常、役所の人事は夏に行われ
る。その都度、委員の皆様にお手を煩わせるのもどうかと思う。今までのやり方
では無いが役職名という書き方もあるかと思う。この点についてはどうか。
○答申で書かれるのは、学識経験者やインターネットユーザーといったレベルで
はないのか。具体的に行政機関の代表が何だというのは行政機関から誰であると
出していただいて、議論するのではないか。ここでどこまで決めておく必要があ
るのか。
●二段階で行なう。答申では分野を書くので行政機関や政府などで良いと思う。
その後、推薦をいただくステップがあり、その推薦の際に、政府については、こ
ういう役職の人を推薦すると書いていただければ後藤委員長の指摘にあった点は
応えられると思う。
◎今回は諮問をいただいているので、答申をどうするのかが先決で、今の点は話
題としては少し先の話である。
<議題(4) その他>
◎本日、事務局で準備したディスカッション議題は以上だが、唯根委員からネッ
ト取引なんでも110番に関する情報をいただいているので紹介いただきたい。
[唯根委員より資料について説明]
- 資料5-1 ネット取引なんでも110番報告書(速報版)
- 資料5-2 ネット取引なんでも110番速報集計
◎相談事例を見てみると、その都度記録をとっておくことが必要だと思う。良心
的なサイトは何度も確認されるが、こういうところは悪いことをしないと思う。
どういうところを注意しなければいけないのか知っておくことが重要かと思う。
○会則や利用規約を残しましょうと言っても、消費者は、自分は被害に遭わない
だろうと思って使ってしまう。このような意識をどう変えることができるのかが
難しい。
◎パソコンを使う人に教える際は、ファイルという概念を使って説明できるが、
タブレットやスマートフォンではそのような概念を持ちにくく、記録をとること
が難しい。また、スマートフォンなどでのアプリを使うとプロセスが止まらずに
動いていることがあるので、このような設定を切るという知識も必要になる。相
談に乗られる方も苦労するのではないかと思う。被害を受けた方は記憶に頼って
相談されると思う。
○相談いただく際は、実際にアクセスし、実態を把握するために私たち自身も体
験するという取り組みを行っている。スマートフォンになるとなかなか難しい。
◎悪いドメイン名があれば廃止するといった対応が考えられるが、実際にドメイ
ン名を管理している方は何か理由が無いと勝手には止められない。連携が重要だ
と思う。
○相談員はURLを聞き取るといったことを行うが、相談者がURLを残していないの
で追うことができない。
◎短縮URLなどといった色々な仕組みがあり、なかなかわからないと思う。
○日本は物理的には島国で安全安心というのが確立しており、社会の基礎的な部
分でそれが当たり前になっている。インターネットには境界がないので、色々な
危ないものがある。事業者としても対応しないとインターネットは危ないところ、
で終わってしまう。使う側も不安だと思う。このJPドメイン名諮問委員会はドメ
イン名について公平性・中立性という話は入っているが、ドメイン名を登録する
際の安全性というような視点もスコープに入ってくるかもしれない。
○人名の日本語ドメイン名を登録することを認める場合、どういう形になるのか。
●通常、ドメイン名の登録では、人名だからと特別の判断は行わない。どのよう
なドメイン名でも先着順での登録となる。ただし、新しいドメイン名を導入する
時の混乱回避策であるサンライズピリオドで、過去に人名を優先的に扱った事例
がある。
◎紛争が起こっていないようだが、先に登録されていれば自分の名前では登録で
きないので不満に思っている人はいるかもしれないということか。
●同じラベルを複数の方が登録することはできないので、その可能性はある。人
名に限らずドメイン名の先願主義ということで理解いただくしかないかと思う。
○日本語ドメイン名で、人名が登録できるようになり、成りすましの点が気になっ
た。FacebookやTwitterでも成りすましの問題が出ているが、ドメイン名登録の
レベルで起きてしまうことを先願主義だから仕方がないとするのか、この点の検
討はした方が良いと思う。
◎世の中の問題の発生具合を踏まえて見ていく必要があると思う。ルールとして
成立しつつも色々な問題が出れば大きくならないうちに、それが察知できる人同
士が情報共有することが必要と思うので、よろしくお願いしたい。
《今後の予定について》
◎第50回JPドメイン名諮問委員会の議事は終了とする。次回の委員会の具体的な
日程については、事務局から案内させていただく。
<閉会>
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