委員会資料
第41回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第41回JPドメイン名諮問委員会 議事録
1. 日 時: 2012年5月31日(木) 15:00 ~ 16:35
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス内 会議室
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F
3. 出席者: 後藤滋樹 委員長
松本恒雄 副委員長
遠藤紘一 委員
林一司 委員
原隆一 委員
唯根妙子 委員
4. 同席者: 堀田博文 (JPRS 取締役)
宇井隆晴 (JPRS 事務局)
松丸真紀子(JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会
2. 議事
(1) 答申書「組織合併時等における属性型・地域型JPドメイン名の1組織
1ドメイン名制限緩和について」(JPRS-ADVRPT-2011001)へのJPRSの
対応に関するご報告
(2) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況に関するご説明
(3) 一般企業代表諮問委員の推薦について
(4) その他
3. 閉会
6. 資 料:
資料1 JPドメイン名諮問委員会 委員一覧
資料2 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2011001への対応
資料3 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について
資料4 JPドメイン名諮問委員会委員 推薦者(案)
参考資料1 諮問書「組織合併時等における属性型・地域型JPドメイン名の
1組織1ドメイン名制限緩和について」(JPRS-ADV-2011001)
参考資料2 答申書「組織合併時等における属性型・地域型JPドメイン名の1
組織1ドメイン名制限緩和について」(JPRS-ADVRPT-2011001)
7.議 事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役および事務局の発言)
------------------------------------------------------------------------
<開 会>
《出席状況の報告》
●本日の委員会には、後藤滋樹委員長、松本恒雄副委員長、遠藤紘一委員、
林一司委員、原隆一委員、唯根妙子委員、以上6名の出席をいただいている。
従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な
定足数の「全委員の過半数」を満たしていることを報告する。
本日、JPRSからは、堀田博文、宇井隆晴、松丸真紀子が同席する。
<遠藤委員ご退任の報告および議題の追加について>
◎事前にお知らせしておりました議題に入る前に、私から1点報告させていただ
く。遠藤紘一委員から期中における辞任の申し出があり、本日の第41回委員会を
もって退任されるにこととなった。遠藤委員には、2007年から約5年間に渡り、
尽力いただいた。
○長い間ありがとうございました。(遠藤委員)
◎遠藤委員、ありがとうございました。遠藤委員の後任の方について、委員会当
日ではあるが、「一般企業代表諮問委員の推薦について」として議題を追加し、
皆さまの意見を伺いたいと考えています。本件を、本日最後の議案とさせていた
だく。
<議題(1) 答申書「組織合併時等における属性型・地域型JPドメイン名の1組織
1ドメイン名制限緩和について」(JPRS-ADVRPT-2011001)へのJPRSの
対応に関するご報告>
◎2011年の委員会のなかで、「組織合併時等における属性型・地域型JPドメイン
名の1組織1ドメイン名制限緩和について」について議論し、2012年3月9日に答
申書として確定した。その後の検討・対応等について、本答申へのJPRSの対応を
報告いただく。
[取締役 堀田博文より答申への対応について説明]
- 資料2 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2011001への対応
●答申への対応の内容に沿ったサービスにするため、検討チームを立ち上げ、具
体的な検討を進めている状況である。
◎適切な時期にサービス準備状況の報告をお願いしたい。
●了解した。
<議題(2) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況に関するご説明>
◎「JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況」について、JPRSより説明
いただきたい。この議題は、2012年度の諮問委員会を開催していく上での基礎と
なる部分である。
●2012年度の諮問事項を決めさせていただく前に、JPドメイン名も含めたレジス
トリの状況やドメイン名に関連する最新の動向などについて紹介する。それに対
して忌憚のない意見をお聞かせいただければと考える。また、委員の皆様から追
加の検討課題などあれば提起いただきたい。次回の諮問委員会は、例年であれば
8月下旬頃の開催であり、本日の議論の状況に基づいて諮問させていただく。
[事務局より資料について説明]
- 資料3 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について
○アラビア文字などのASCII以外のTLDからメールが来た場合、メールアドレスは、
パソコン上でどう表示されるのか。
●現時点ではうまく表示されないと思う。技術の標準化が進められており、その
中では、うまく表示されないメールアドレスの場合は代替のASCIIのメールアド
レスを設定しておくとそれに変換して表示する、といったことも考えられている
と聞いている。
○うまく表示されなくても返信すれば届くのか。
◎届くのではないか。
●メールを返信する際に、代替アドレスの設定をするときちんと届くといった仕
組みが標準化の過程で組み込まれていくのではないかと思う。URLの標準化は先
行して進んでおり、アラビア語などでもうまく表示される。メールにおいては、
色々なプロトコルが混ざっており、検討に時間がかかっている状況である。
◎日本語ドメイン名を検討した際、日本語ドメイン名は、日本語を読める人だけ
のものであり、世界を分断するのではないかという意見があった。一方、台湾で
は、中国語でないと子供などが読めないという意見もあった。グローバルとロー
カルのバランスになってくるが、うまく表示できないメールが増える可能性はあ
ると思う。
○中国や台湾からメールを送ってくる人は、メーラーでの文字化けを回避するた
め、メールの本文には何も書かず、Microsoft Office Wordのファイルを添付し、
その中に内容を書いている場合がある。
◎文字化けで読めない時は、Webメールで表示させると文字化けが解消されて読
める場合もあるそうである。
◎「.tokyo」や「.osaka」は、自治体がサポートするなどあったと思うが、
「.ryukyu」はサポートが必要なのか。
●「.ryukyu」は沖縄県がサポートを出している。
◎沖縄が琉球というのはあまり誤解はないが、グローバルには非常に微妙な地域
もあると思う。
●中国ではそのようなことを予想したのかは不明だが、レジストリになるために
は中国政府の認可が必要という法律をつくっているようである。
○中国以外の国が中国の地名のTLDを創設してしまった場合はどうなるのか。
●地名に関しては、その都市や国のサポートがないと創設できないルールになっ
ていると思う。微妙な地域においては、サポートレターの正当性についてICANN
は悩むのではないかと思う。
○資料3の29スライド目に、児童ポルノへのアクセス遮断の件が記載されている
が、日本では警察からの申し出があればDNSの挙動を細工することを行っている
のか。
○行われている。
○法律上の根拠に基づいて対応しているのか、それともISPとその顧客との契約
でそのような対応ができるという旨の記載に基づいて対応しているのか。
○後者に近いと思う。
●警察が犯人を捕まえてコンテンツを消すのを待っていられないため、
民間でブラックリストを作成・管理して対応している。その対応の根拠は、民間
における契約になると思う。
◎Whoisでの情報公開のあり方に関してだが、情報が出すぎているという意見が
ある。実際の利用者がWhoisに表示されていない場合があり、その場合、実際の
利用者よりもWhoisに表示されている登録者の権利の方が強いのか。
●権利が強い弱いというよりは、登録者がそのドメイン名に責任を持っているこ
とが基準であると考えると、又貸しされた人にはその権利は無い。又貸しした人
と又貸しされた人との間で契約はあるのかもしれないが、それはレジストリから
みえないので、Whoisで表示されている人がレジストリから見た契約相手になる。
○又貸しのメリットはどういうものか。
●資料3の22スライド目にあるように、Whoisでドメイン名やそのドメイン名の登
録者名などが公開される。例えば、ある企業が新商品を出そうとしてその商品名
のドメイン名を登録すると誰が登録したのかわかってしまう。このような場合、
企業は秘匿しておきたいと考える。他には、そのドメイン名を使って悪徳商売を
するために名前を明かしたくないということもあるかもしれない。又貸し自体が
悪いわけではなく必要と考える人もいる。
○Techコンタクトだが、以前、迷惑メールの送付やサーバーが乗っ取られている
などの対応のために設定しておくと聞いたが、個人でドメイン名を登録している
際はどこかの業者にお願いしており、個人の連絡先を出すことに意味がないので
はないか。むしろドメイン名に関わるサービスを提供している業者の名前を出す
方がよいのではないか。
●ドメイン名の情報はいくつかに分かれている。誰がドメイン名を登録している
のかという登録情報と連絡先の情報の大きく2つに分かれている。Techコンタク
トは、連絡先の方に入り、実際に運用を支えているところへの連絡先を入れるの
が実態としても良く、許容されている。今回の議論は、登録情報における登録者
名を肩代わりするところが主な対象になっている。
○JPドメイン名の場合は、Techコンタクトに相当するものはContact
Informationなのか。
●JPドメイン名のCOntact Informationは、技術的なのかどうかという区切りは
設けず、ドメイン名に関する連絡先としている。個人がドメイン名を登録する
場合は、サービス事業者の名前が入ることが多いのではないか。
◎商標や商号を登録する際に、代理で申請することはあるのか。
○商標などを登録する際に、他人の名前で申請することはありえるのではないか。
しかし、その場合、何かあった際は不利になる可能性がある。
◎ICANNにおける検討はどのような状況なのか。時間はかかりそうなのか。
●Whoisの問題はICANNが設立された頃からあり、10年以上議論されている。まだ
議論が続いているが、実態として、プロキシ登録・Whois情報代行サービスが出
てきており、そのサービスが良いのか悪いのか、どう扱うべきかという議論は後
追いになっている。
○公開と開示の目的として自律的な解決が挙げられているが、情報を隠してしま
うとそれができなくなる。もともとの目的や背景にはどんなものがあるのか。
●当初は、技術的にWebがつながらないなどのトラブルがあったが、ドメイン名
を登録している人と運用する人が同じであったため対応できていた。現在は、ド
メイン名を登録している人と運用する人が異なる場合が多いため、技術的なトラ
ブルを解決するために公開連絡窓口を設けている。一方で、あるドメイン名が商
標を侵害している場合、又貸しなど行っていると誰が悪いのか突き止めるのは難
しくなる。最近は商標などの関係があるので、Whoisで見せるべき内容が変わっ
てきているのかもしれない。
○時代と共に変わってきていると思う。
○プロバイダ責任制限法では、ISPに情報発信者情報の開示を求めることができ
るが、範囲が限られており、ISPに悪徳業者の発信者情報の開示を請求しても通
信の秘密の一部ということで、ISPはそれを拒むことができる。その流れでいく
と、Whoisに関しても通信の秘密の一部ということで、登録者の名前を出さない
という権利の話がでてくる可能性があると思う。そうなると、悪徳商法に使われ
ているドメイン名の開示請求を拒むことができてしまいかねない。
○携帯電話にたくさん迷惑メールが届くので、ドメイン名を拒否する設定をして
対応している。そのドメイン名を見てみると120のうち40がJPドメイン名であっ
た。Whoisでそのドメイン名を誰が登録しているのかわからなくなるのは困る。
○Whoisは、通信の秘密や個人情報の保護といったものより前にインターネット
コミュニティでの自発的なものとしてできているのだと思う。そこに通信の秘密
や個人情報保護の考え方を持ってくると従来のインターネットコミュニティのル
ールと衝突してくると思う。
○「.日本」の審査はどういう状況か。IDN ccTLDの導入プロセスにおいて、37の
申請があり、そのうち29が文字列審査を通過しているとのことだが、「.日本」
はそこに含まれているのか。
●まだ申請に至っていない。
◎状況を説明すると、JPRSが「.日本」管理運営事業者の候補事業者として選定
された。一方、総務省の情報通信審議会の答申で、「.日本」の管理運営事業者
を監督する役目が必要である旨が記載されている。「.jp」に関しては、JPNICか
らJPRSに移管した際の契約があるので、今までは二社間でやってきたが、今後は
外部の有識者でも判断ができるようにしようということで、移管契約第13条検討
委員会を設置し、評価するための基準をつくっている段階である。これが決着す
れば日本政府がJPRSによる「.日本」運営をサポートするという文書をつけて
ICANNに応募できることになる。
なお、この移管契約第13条検討委員会の会議資料と議事録は公開されている。
◎本日の議論に基づいて、次回の委員会にてJPRSより諮問書の提出をお願いした
い。
<議題(3) 一般企業代表諮問委員の推薦について>
◎今回の委員会をもって遠藤委員が退任される。これに伴い、遠藤委員の後任と
して、日本経団連より、武山芳夫氏の推薦をいただいた。武山氏は、第一生命保
険株式会社にて取締役常務執行役員の職に在り、日本経団連においては「情報通
信委員会・企画部会長」として活躍されている。私としては、武山氏を後任に推
薦したいと考えているが、委員の皆様の意見をいただきたい。
○異議なし。
◎推薦状をJPRSに提出する。
<議題(4) その他>
《今後の予定について》
◎次回の諮問委員会の開催については、2012年8月頃に第42回の委員会を開催し、
2012年度の検討課題をJPRSから説明いただき、その後、諮問書を提出いただくこ
とになるかと思う。委員会の具体的な日程については、事務局から案内させてい
ただく。
《閉会》
◎以上をもって、第41回諮問委員会を閉会とする。
<閉会>
------------------------------------------------------------------------
以上