委員会資料
第37回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第37回JPドメイン名諮問委員会 議事録
1. 日 時: 2011年5月19日(木) 10:15 ~ 11:40
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス内 会議室
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F
3. 出席者: 松本恒雄 副委員長
遠藤紘一 委員
原隆一 委員
林一司 委員
唯根妙子 委員
4. 同席者: 佐野晋 (JPRS 代表取締役副社長)
宇井隆晴 (JPRS 事務局)
松丸真紀子(JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会
2. 議事
(1) 第6期JPドメイン名諮問会 委員長および副委員長の選任
(2) 答申書「第6期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADVRPT-2010002)への対応について
(3) 答申書「地域型JPドメイン名の再構築について(JPRS-ADVRPT-2010001)
へのJPRSの対応に関するご報告
(4) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況に関するご説明
(5) その他
3. 閉会
6. 資 料:
資料1 JPドメイン名諮問委員会 委員一覧
資料2 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2010002への対応
資料3 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2010001への対応
資料4 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について
参考資料1 諮問書「第6期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADV-2010002)
参考資料2 答申書「第6期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADVRPT-2010002)
参考資料3 諮問書「地域型JP ドメイン名の再構築について」
(JPRS-ADV-2010001)
参考資料4 答申書「地域型JP ドメイン名の再構築について」
(JPRS-ADVRPT-2010001)
参考資料5 JPドメイン名諮問委員会規則
7.議 事:
(◎は副委員長、○は委員、●はJPRS代表取締役副社長及び事務局の発言)
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<開 会>
《出席状況の報告》
●出席状況の報告の前に第6期委員の選任の経過について事務局から報告する。
2010年10月27日に「第6期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」の
諮問書を提出し、2010年12月16日に、6つの団体、分野から各1名の委員を選任す
るとの答申をいただいた。そして、3月9日開催の第36回の委員会において、「第
6期委員推薦書」を提出いただいた。
これを受け、JPRSにおいては、2011年3月29日に取締役会を開催し、本答申およ
び第6期委員推薦書に基づき、第6期委員6名の任命を決議した。その後、6名の委
員の皆様からも、就任へのご承諾をいただいたので、本日、第6期委員会の第1回
目として、「第37回JPドメイン名諮問委員会」を開催する次第である。
本日の委員会には、遠藤紘一委員、林一司委員、原隆一委員、松本恒雄委員、
唯根妙子委員、以上5名のご出席をいただいている。従って、JPドメイン名諮問
委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な定足数の「全委員の過半数」
を満たしている。
本日、JPRSからは佐野晋、宇井隆晴、松丸真紀子が同席する。
<議題(1) 第6期JPドメイン名諮問会 委員長および副委員長の選任>
●諮問委員会規則第7条に従い、委員長、副委員長については、委員各位の互選
となっており、委員の皆様の意見をいただきたい。
●後藤委員からは、「特にご意見が無く、また、ご異議が無いようであれば、委
員長については引き続き私が務めさせていただき、副委員長については引き続き
松本委員にお願いしたいと考えている」という意見をいただいている。
○異議なし。
●副委員長を松本委員にてお引き受けいただけるか。
○了承した。
●それでは、委員長に後藤委員、副委員長に松本委員が選任されたので、ここか
らは議事の進行を松本副委員長にお願いしたい。
<議題(2) 答申書「第6期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADVRPT-2010002)への対応について>
◎「第6期JPドメイン名諮問委員会委員について」への対応については、委員会
の冒頭で、先ほどJPRSより経過と対応を報告いただいたので、ここでの報告はそ
れを持って代えさせていただく。
<議題(3) 答申書「地域型JPドメイン名の再構築について(JPRS-ADVRPT-2010001)
へのJPRSの対応に関するご報告>
◎2010年の委員会のなかで、地域型JPドメイン名の再構築について議論し、2010
年12月28日に答申書として確定した。その後の検討・対応等について、本答申へ
のJPRSの対応を報告していただく。
[代表取締役副社長 佐野晋より答申書について説明]
- 資料3 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2010001への対応
◎具体的な検討結果が出た際には、また報告して欲しい。
●了解した。
<議題(4) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況に関するご説明>
◎「JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況」について、JPRSより説明
いただきたい。この議題は、2011年度の諮問委員会を開催していく上での基礎と
なる部分である。
●2011年の諮問事項を決めさせていただく前に、JPドメイン名も含めたレジスト
リの状況やドメイン名に関連する新しい市場等について紹介する。それに対して
忌憚のない意見をお聞かせいただければと考える。また、委員の皆様から追加の
検討課題などあれば提起いただきたい。次回の諮問委員会は、例年であれば8月
下旬頃の開催であり、本日の議論も踏まえて諮問書を提出させていただく。
[事務局より資料について説明]
- 資料4 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について
○IDN ccTLD Fast Trackにおいて、33の申請が提出されているようだが、そこに
は「.日本」も含まれているのか。
●含まれていない。政府が日本インターネットドメイン名協議会(以下、「協議
会」)に対して、「.日本」管理運営事業者の選定を依頼した。それを受けて、
協議会が、「.日本」管理運営事業者を公募し、JPRSを選定したことを2010年10
月に政府に報告したという段階である。
○政府の担当はどこか。
●2002年の「.jp」のエンドースの際は、総務省総合通信基盤局データ通信課が
担当であったが、「.日本」については現時点では分からない。
○「.会社」といったTLDに対して、日本において何か議論されているのか。
●議論としてはあるのかもしれないが、具体的な話は出ていない。また、新gTLD
で、「.会社」のようなTLDが申請されるという話は今のところ特に無く、日本国
内からのものとしては「.earth」、「.shop」、「.canon」といったアルファベッ
トのTLDの申請が表明されている。
○24スライド目について2つ質問がある。まず1つ目は、廃止されたドメイン名を
他社が悪意を持って登録して実被害が出たケースがあるか。2つ目は、ある人が
廃止したドメイン名を別の人が登録する場合、登録する過程で、廃止された経緯
が分かるようになっているのか。
●まず、1つ目については、サイバースクワッティングであることが疑われるケー
スが発生した場合、廃止を働きかけたり、被害が出ないように防止策をとってい
ることで、実被害があったという話は聞いていない。2つ目については、ドメイ
ン名は単なる識別子であり、組織名や過去の経緯までは見ていない。そういっ
たところまで審査の範囲を広げると迅速な登録などが難しくなると思う。
○24スライド目に、「リリースされたドメイン名を他社が悪意を持って登録」と
あるが、登録する時に悪意があることが分かるのであれば対応はすぐにできるの
ではないか。
●24スライド目の当該の箇所は、表現が適切でなかった。登録の際に、悪意の有
無が判明することはほとんど無く、実際に使われ始めた段階で悪意があることが
判明し、対処するケースがほとんどである。
○ドメイン名が廃止された後の6カ月間はドメイン名を登録させないということ
だが、その期間にあるドメイン名に対して登録の申請があった場合はどのように
対応しているのか。
●ドメイン名が廃止された後の6カ月間の凍結期間中に申請があっても、システ
ム的に申請を受け付けないようにしている。
○有名なWebサイトのドメイン名に似せたドメイン名のサイトを開設し、間違っ
てアクセスしてきた人をターゲットにして広告収入を得ようとしているものがあ
る。
●そういった問題点は認識しており、JP-DRPという紛争を処理する手法を提供し
ている。
○有名なWebサイトのドメイン名に似せたドメイン名を登録して広告収入を得る
という行いをビジネスチャンスと捉えられ、廃止されたドメイン名を狙う人がい
るのだろう。
●ドメイン名が廃止された後というのは狙われており、「.jp」においてもその
傾向は見られる。gTLDでは、廃止されたドメイン名を登録する専門の業者が存在
している。それにより、ドメイン名の更新手続きを忘れて再度登録しようとして
も、すでにそのドメイン名は別の人が登録しており、再登録できないという状況
になっていることが多い。
●2006年当時、諮問委員会で議論いただき、1組織1ドメイン名という原則でドメ
イン名を有効活用しようという点を重視した答申をいただき、その方向で対応し
ている。しかし、論文などで大学のドメイン名が記載されているような場合は、
長い期間そのドメイン名が参照され続けるなどの例もあり、改めて議論いただき
たいと考えている。
○金融機関が合併等で名称が変わると、それまで使っていたドメイン名を悪意の
ある第三者が登録し、金融機関に成りすまし、被害が発生する可能性があると思
う。ドメイン名の凍結期間が6カ月では、名称が変わったことに関する周知徹底
も難しい。
●企業では、ドメイン名は使わなくても管理しておきたいという声が多い。企業
はどれだけ周知しようともリスクが残る。ドメイン名の登録を維持するには費用
が掛かるが、リスクと費用を考えれば、登録し続けている方が安いという声があ
る。
●併用期間は6カ月だが、状況に応じて、2年程度伸ばすということも運用上行っ
ている。事例としては、大学の名称変更の際、名称変更前に入学した学生が卒業
するまでは変更前のドメイン名を使いたいというケースがある。
●ドメイン名の併用期間に関する問合せでは、数年という期限ではなく、ずっと
併用できるようにして欲しいという声が強い。
○確かに併用期間6カ月は短いと思う。
○メーカー企業では、製品の製造終了後から7年間は部品を保持するなどのサポー
トをし、製造者としての責任を果たしているという形もある。それと同じような
責任が、ドメイン名を利用していた者にも存在するのではないか。
●企業では、社名変更すると新しいドメイン名でWebサイトを構築する場合があ
る。その際、古いWebサイトにアクセスしてくる人に対応するため、そのドメイ
ン名を登録し続けたいという声を聞く。
○電話番号も同じ問題があると思う。
○CO.JPドメイン名は1組織1ドメイン名だが、合併等で複数登録したいという場
合、ドメイン名を子会社に移管するということはありうるのか。
●そういうケースもある。
○15年程前に海外の会社をM&Aしたことがあるが、その会社の製品に対して顧客
が問い合わせてくるケースがあるので、その会社が持つブランド名を簡単には変
えられないため、コストは掛かるが今でも残している。
○ドメイン名が廃止される件数はどのくらいか。
●ドメイン名が廃止される件数としては、属性では1,000~1,500件/月である。
○合併等を理由に廃止したのか、使わないから廃止するのか、そのあたりについ
ては実態としてどうなのか。
●属性においては、97%は使われているので、登録したが使わないというケース
はあまり無い。ドメイン名の廃止の理由としては、企業活動を止める、合併といっ
たものが考えられる。
○新gTLDが出てくると相対的に「.jp」の存在が薄れると思う。また、「.tokyo」
のようなTLDが出てくると、利用者からすると「.jp」と紛らわしくなる。このよ
うな点についてJPRSではどのように考えているのか。
●まずは「.jp」のブランドを維持・強化することが第一と考えている。新gTLD
の出現は、必ずしも「.jp」の存在価値の低下に直結するものではないと考えて
いる。
○新gTLDが出てきた後に検討しても間に合わないので、いくつかのパターンをシ
ミュレーションするといったことが必要になってくるのではないか。
●「.jp」が他のTLDに紛れないようにうすることが一番重要であると思う。しかっ
りとみなさんに使ってもらえるようにしていきたい。
○日本における「.jp」のシェアはどのくらいか。
●「.jp」以外のドメイン名が日本国内でどれだけ登録されているかについては
色々データはあるが、全て推測の域を超えていない。大体「.jp」のシェアが4割、
「.com」が4割、という数字が出ている。企業や個人のようなセグメント別での
シェアは不明だが、大手から中堅の企業では、「co.jp」を利用しているところ
が多いと感じている。
○ドメイン名ではないが、メールのサービスにおいて、退会した人のメールアド
レスの再利用は認めているのか。
○認めていないところがほとんどだろう。その結果、利用できないメールアドレ
スが増えていって、新しいアドレスは複雑になっていく。しかし、メールアドレ
スを直接入力する人は少なく、普通はアドレス帳を利用するので、メールアドレ
スは覚えていないので、複雑でもかまわないという人が多い。また、携帯電話の
メールアドレスも、変更することにあまり抵抗感を持っていないようだ。
○携帯電話のメールアドレスはなかなか変えられない人も多く、迷惑メールを受
信し、ワンクリック詐欺等の被害が出ている状況にある。迷惑メールのTLDを見
ているが、「.com」や「.net」も多いが「.jp」もないわけではない。何か対応
できないか考えている。私の携帯電話に届く迷惑メールを1カ月カウントしてみ
ると300くらいあった。キャリアに対して迷惑メールであることを通知したが、
それでも迷惑メールは収まらなかった。迷惑メールの発信者のアドレスの中には
「.jp」も入っていたのでJPRSに問い合わせてみると実在しているものだった。
●迷惑メールのドメイン名は使い捨てであり、短期間の登録であることが多い。
○迷惑メールに対して何か対応はできないものか。
○JPRSのレベルでは難しいのではないか。実在する会社かどうかのチェックはす
るがそれ以上の審査は難しいだろう。別の手法を組み合わせて対応するのではな
いか。違法なことをやっていればそのドメイン名を抹消する等考えられる。
○どうしても事後対応になってしまうだろう。
●迷惑メールの対策は業界団体や研究会など色々な場で検討されているが減らな
い。
●結局、利用者のリテラシーに行き着いてしまう。
◎本日出た意見等含めJPRSにて検討いただき、次回の委員会にてJPRSより諮問書
を提出いただくということになるかと思う。
<議題(5) その他>
○2011年3月11日の東日本大震災で被災された人のドメイン名はどうなるのか。
●JPRSでは、被災者支援策として、被災地を登録者住所とするJPドメイン名につ
いて、1年間無償で登録更新を行うこととした。ドメイン名の更新手続きができ
なかったり、会社が無くなった等、いろいろなケースがあると思うが、1年間の
猶予を持たせ、1年後に手続きいただくことを考えている。
○その案内はJPRSのWebサイトに公開されているのか。
●個々の登録者に直接サービスを提供しているのは指定事業者であるため、指定
事業者それぞれのサービスにJPRSの支援策を組み込んでいただき、登録者に連絡
をしていただくという形になっている。
○保険業界でも、通常であれば保険料を払わないと契約が切られるが、半年~1
年は猶予するといった対応をしているようだ。
《今後の予定について》
◎次回の諮問委員会の開催については、第38回を2011年8月に予定している。
具体的な日程については、事務局からご相談させていただきたい。
《閉会》
◎以上をもって、第37回諮問委員会を閉会とする。
<閉 会>
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