委員会資料
第2回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第2回JPドメイン名諮問委員会議事録
1. 日 時: 2002年7月8日(月) 13:00 ~ 15:00
2. 場 所: 如水会館 3階 「松風の間」
(東京都千代田区一ッ橋 2‐1‐1 Tel:03‐3261‐1101)
3. 出 席 者: 後藤滋樹委員長
飯塚久夫委員
潮田壽彌委員
加藤真代委員
下浦敏治委員
4. 陪 席 者: 渡邊哲男(JPRS 取締役)
堀田博文(JPRS 取締役)
5. 次 第:
1. 開会
2. 委員の紹介
3. 今回の委員会開催について
4. 議題
(1) 属性型ドメイン名「LG.JP」の新設の是非と方針について
(2) 第2期 JP ドメイン名諮問委員会委員の選任方法について
(3) その他
5. 閉会
6. 資 料
資料1 座席表
資料2 JPドメイン名諮問委員一覧
資料3 諮問書「属性型ドメイン名『LG.JP』の新設の是非と方針について」
資料4 属性型ドメイン名「LG.JP」に関する諮問事項のご説明
資料5 諮問書「第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
参考資料1 用語集
参考資料2 総合行政ネットワークの概要
参考資料3 JPドメイン名諮問委員会規則
参考資料4 JPドメイン名諮問委員会設置要綱
参考資料5 第1回 JP ドメイン名諮問委員会議事録要旨
7. 議事録(◎は委員長、○は委員、●は JPRS 取締役および事務局の発言)
《開催の挨拶》
《委員の紹介》
● 本日ご欠席の松本副委員長からは、事前に今回の議題についてご意見を
いただいているので、随時事務局から報告したい。
《今回の委員会開催について》
◎ 参考資料5にあるように、第1回諮問委員会では、以下のスケジュールに
ついて合意した。
2002年4月~6月 答申の基本的な方針に関する具体化作業
2002年6月 方針確認のための会合の開催
2002年9月末~10月 第2回 JP ドメイン名諮問委員会の開催、答申
今回新たに、「属性型ドメイン名『LG.JP』の新設の是非と方針について」と
「第2期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」という2つの諮問事項
が JPRS よりあったために、これを審議するための委員会を招集した。
委員会終了後に、従来の予定通り、委員による第1回諮問事項に関する方針確認
作業のための会合をもちたい。
《事務局から資料4について説明》
◎ 内容的には、従来からの課題ということで、予備検討の結果を含めて JPRS
から情報提供をしていただいた。論点としては、新設の是非および、新設を行う
場合にはその方法について、の2点になる。
《LG.JP ドメイン名の新設の是非について》
○ 地方自治体ごとに1つのドメイン名ということになるのか。そうだとすると、
自治体ごとに設けられる複数のサービスに対応できるのか?
● LG.JP ドメイン名は、基本的にはひとつの地方自治体について1つと考えて
いる。サービスについては、Web ページ上でのメニューなどの管理で対応して
サービスを行うか、サブドメインを利用すれば、他のドメイン名を使わなくても
よい。
○ 運用を行う場合には2003年を目標にしているということから、今回の委員会
で検討することになったのか。
◎ もし実際に新設が決定した場合、今後の具体的な運用に備えての準備を考え
ると、今年度中に基本的な方針を検討してから、本件につき具体的に検討する
というスケジュールでは、時間的に無理があると考えた。LG.JP については、
他の検討事項から切り離し、個別の案件として検討のタイミングを繰り上げる
形になっている。
○ 地方自治体のサービス提供を接続する総合行政ネットワーク(LGWAN)の
セキュリティは、専用線を使用した信頼できるものなのか。
● 実際には中央政府と地方公共団体、あるいは地方公共団体の間でやり取り
される情報の内容に従って、インターネット、あるいは専用線といった形が
取られるのが一般的だが、総合行政ネットワーク内部については専用線を設け
ていると思う。
◎ LG.JP ドメイン名についての検討と、そのドメイン名を利用したサービスの
インフラについては、原則として別の問題と考えるのが妥当だと思う。参考と
してその使用形態について聞いておく必要はあるが、実際の使用環境について
は、専用線もインターネットもありうる。
○ 霞ヶ関 WAN あるいは LGWAN がインターネットから接続されないという保証
はないということか。
◎ 霞ヶ関 WAN は現在、既に運用されており、正確な情報は総合行政ネット
ワーク運営協議会に問い合わせる必要があるが、総合行政ネットワーク自体が
仕組みとして専用線を利用していても、地方自治体住民をはじめとする一般
ユーザは、インターネットを利用して地方公共団体のサービスに接続すると
考えられるので、ネットワーク全体としては専用線に限られない。
○ LG.JP は住民基本台帳とは全く別個のものか。
● 基本的には別個のもの。そのサービスの窓口としてドメイン名が活用される
という点では、無関係のものではないが、LG.JP ドメイン名そのものは、あくま
で地方自治体を識別するための名前。
○ LG.JP ドメイン名は、例えば住民票の移動などの手続きの際に、地域住民に
とっては住民基本台帳を利用するためのインターフェースになるということか。
● そうなる可能性が高い。
○ 現状で地域型ドメイン名を使用している地方自治体は、LG.JP ドメイン名と
地域型ドメイン名を入れ替えて運用するのか、両方とも使用するのか。
● 両方運用することになるだろう。
○ LG.JPドメイン名が住民サービスを想定しており、見た目にわかりやすく
使いやすいことが重要という観点であれば、GO.JP を利用してもいいのでは
ないか。敢えて LG.JP を新設する理由はなにか。
● GO.JP は現時点では中央省庁向けのドメイン名としているが、これは現在、
各研究所、外郭団体などに既に割り当てられている。そうした性質上、現状
登録された GO.JP ドメイン名に違うカテゴリーである地方公共団体のドメイ
ン名を混在させるのは、利用者からの識別のしやすさという観点から、得策
ではないと考えている。
○ では LG.JP の新設の目的は、あくまでユーザの利便性のためと考えてよいか。
● その通り。
○ 都道府県や市町村などの別なく一律 LG.JP というドメイン名を登録すること
を想定しているのか。
● その通り。
◎ ドメイン名の登録数については、世界的に見て1,000ドメイン名程度で収める
ことができると、管理上かなりスムーズだと言われている。それ以上になると、
名前の重複や分類の問題が発生しやすい。JPNIC でも、最近のケースで言うと
ED.JP ドメイン名で、約 40,000 校の教育機関について予備検討をしたが、どう
しても名前の重複等の問題が発生してしまった。韓国などでは、教育機関のドメ
イン名について、中学校と高校は別のドメインにするという考えが示されている。
現時点で、LG.JP の予想ドメイン名数が 3,300 だとすると、これは GO.JP 等
の他の属性に加えるのではなく、独立した1つの属性としたほうが良い規模だと
思われる。
○ LG.JP を新設するか GO.JP を使うかについては、手段の問題としてわかり
やすいほうがよい。ドメイン名そのものの運用と、そこにどういう情報がどう
流れるかは別の問題ではあるが、LG.JP と GO.JP などを分けて、その情報の
内容が予測できるようにするのはよいと思う。
だとすれば、逆に LG.JP を使える公共団体をどうやって決めるかが重要だと
思われる。市町村など様々な形態の自治体があるので、そこを明確にすれば信頼
できるものになるのではないか。
● 資格要件をどれだけしっかり決められるかということがユーザの利便性に
とって重要だが、地方公共団体は法的な定義で明確に登録資格要件の識別が
できるので、その点は問題ないと考えている。
◎ 実際に登録の受付を行う段階までには、その具体的な方法を検討して運用
できる充分な見通しがあるということか。
● その通り。
○ 市区町村と都道府県合計で 3,300 程度だとして、それ以外の地方自治組織
についてはどう扱っていくつもりか。
● 地方自治体として定義されるものについては、広域連合、一部事務組合等が
あり、それらを含めてドメイン名の登録数は合わせて 4,000 程度になるだろう。
○ 情報のやりとりの窓口になるドメイン名を付与するなら、それが使われる
環境におけるセキュリティ面での安全確保についても、それがドメイン名とは
別個の問題であるとしても、ユーザとしては信頼性についての保証が欲しい。
◎ 電子政府のセキュリティに関する部分に関しては、危機管理に関する体制
作りは進められていると理解している。以前の官庁の Web 等のトラブルの発生
以降、体制は整えられていると考えられる。誰でもアクセスできるという点から
不安はあると思うので、この部分については、今後の体制作りの中でも配慮して
いくのが良いのではないか。
○ わかりやすさという点では LG.JP ドメイン名には基本的に新設に賛成する。
資料4に「総合行政ネットワーク運営協議会との協議の上」で体制を検討とある
が、この協議会と JPRS が協議することで、これまでとは異なるドメイン名登録
管理の運営の体制を構築していくという提案と理解してよいか?
● その通り。
◎ 今回提案の内容を運用する場合には、これまでとは異なる管理体制を構築
するという点については、ドメイン毎に登録管理体制を変えるということを
やっている例もある。アメリカでは、.edu、.gov、.mil 等は、.com、.org、
.net 等とは別の登録管理体制をとっている。今回の LG.JP については、現行
の、指定事業者を経由したドメイン名登録とは別の方法を検討しているという
ことで理解している。
○ 総合行政ネットワーク運営協議会は、全国の地方自治体を代表する組織と
考えていいのか
● そう考えて良い。総合行政ネットワーク運営協議会は、財団法人地方自治
情報センターをその運営主体としており、同センターは都道府県、指定都市、
特別区、市町村、広域市町村圏組合・協議会等、約2,000組織が参加している。
○ 地方自治情報センターには LG.JP ドメイン名が与えられるのか?
● 地方自治情報センター自身は地方自治体ではないので LG.JP ドメイン名
の登録者にはならない。OR.JP ドメイン名を登録している。
○ 繰り返しになるが、LG.JP の導入にあたっては、やはり使用される環境での
セキュリティについては確認したい。
○ ドメイン名の使用される環境の整備にあたっても、整理されたドメインの
属性を与えることはマイナスではなく、むしろプラスになると思う。
◎ では、諮問委員会としては、新設そのものについては賛成するが、LG.JP
ドメイン名の実際の新設にあたっては、総合行政ネットワーク運営協議会との
具体的な体制検討の場において、JPRS からは運用上の安全性の重要性を伝えて
もらい、ドメイン名登録管理業務を担う JPRS としてもその遂行にあたって配慮
を行うことを要請する、ということで結論付けたい。
● 本日欠席の松本副委員長からも、属性型ドメイン名 LG.JP の新設に賛成との
ご意見を頂いている。
属性型ドメイン名 LG.JP の新設が承認された。
《登録体制について》
○ 同じドメイン名が複数の自治体の間で衝突した場合、総合行政ネットワーク
運営協議会との協議の結果決まった管理体制のなかで調整してもらう、という
ことになると思うが、「ドメイン名に関する紛争処理方針」との関係はどうなる
のか。
● 地方自治体と地方自治体以外の組織との衝突に関しては「ドメイン名に関
する紛争処理方針」に従うことになる。
◎ ED.JP ドメイン名の際にも同様のことが言えたが、ある程度そのドメイン名
の登録対象がリスト等の形で予めわかっているので、かなりの調整はできると
いう前提ではあるが、地方自治体以外との名称の衝突等、どうしても決着の
つかない場合には、最終的には紛争処理方針によることになるだろう。
○ 参考資料2の6ページの図(LGWANの構成)において、地方自治情報センターは
どの部分を担っているのか。
● 地方自治情報センターに問い合わせて確認する。
(※ 確認を行った内容については、補足として議事録末尾に記載)
○ 紛争が発生して、これからの協議のなかで決まる運営体制では解決できない
ものについては、紛争処理方針による解決ができるという理解で良いか。
● その通り。
◎ 以上、本委員会としては、新属性 LG.JP ドメイン名の新設と、その登録
管理体制は JPRS と総合行政ネットワーク運営協議会と協議し決定するという
結論とし、本日の議論を踏まえて後日答申書を作成するものとする。
● 本日欠席の松本副委員長からも、登録管理体制は総合行政ネットワーク運営
協議会と協議し決定することで良い、とのご意見を頂いている。
登録管理体制は JPRS が総合行政ネットワーク運営協議会と協議し決定する
ことが承認された。
《資料4記載のスケジュールについて確認》
◎ 数日中に文言を自分と事務局のほうで纏めて、委員の皆様にご確認頂き、
JPRS の取締役会に提出する。
《事務局から資料5について説明》
● JP ドメイン名諮問委員会の設置に際しては JPNIC にて、2001年5月に広く
パブリックコメントを求めて方法を検討し、委員構成については、公平性・
中立性という観点から、異なる分野の視点や専門知識の意見を集める目的で、
JPNIC から、6つのカテゴリの中よりそれぞれを代表する各1名の推薦を
いただいた。
(1) JPNIC
(2) JPドメイン名指定事業者
(3) インターネットサービスプロバイダ
(4) 一般企業
(5) 学識経験者
(6) インターネットユーザ
◎ 本委員会は設置して間もないということもあり、選任の6つのカテゴリー
については現状でも妥当するものと考える。公平性・中立性という点からは
現在の委員が推薦するという形が良いと思うが、どうか。
○ 現在の6つのカテゴリーについては良いが、委員の人数に関しては、奇数
のほうが良いかもしれない。学識経験者または法曹関係等からさらに1名選任
するか、あるいは公募という方法もありうる。
◎ 公募の場合は実際の選任やその決定者が難しいだろう。
● 松本副委員長からは「第1期の委員は、これから委員として活動をして行こう
という時期であり、第2期目も再任が良いと思う」とのご意見を頂いている。
◎ 選任方法については、JPRS 主導で決定するか、委員会にて決定するかという
点が大きいが、基本的に後者ということで、まずは現在のカテゴリーに沿って
選任することで問題ないか。
○ 問題ない。
◎ では、本委員会が自律的に選任を行うという方向で、具体的な方法について
検討を進め、年度末までに次期委員の選任をするものとする。
第2回諮問委員会での意見を踏まえ、選任方法案の作成を進めることが承認された。
◎ これにて本日の議案を全て終了し、第2回JPドメイン名諮問委員会を閉会する。
《閉会》
(※)補足「地方自治情報センターの役割について」
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委員会中、委員より質問のあった件に関する補足
○質問内容
参考資料2の6ページの図(LGWANの構成)において、地方自治情報センターは
どの部分を担っているのか
●回答
参考資料2の6ページのネットワーク構成図中、LGWAN (総合行政ネットワーク)
と表記されたネットワーク全体を運営しているのが、LGWAN 運営主体としての地方
自治情報センター。本図は、ネットワークの設備とそれらを結ぶ回線を模式的に
描いたものであり、そのうちどの部分が地方自治情報センターであるという観点
でなく、「このネットワーク全体がうまく動くよう運用しているのが地方自治情報
センターである」というとらえ方になる。具体的には、地方自治情報センターは、
全国 NOC (ネットワークオペレーションセンター)および都道府県 NOC と呼ばれる
場所に計算機やネットワーク機器を設置し、それを運用している。
なお、LG.JP というドメイン名は、図中の LGWAN の部分ではなく、地方公共団体
(図中「地方公共団体」と書かれた部分)が使用するもの。
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以上