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プレスリリース

2009年4月22日発表
報道関係者各位

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

JPRSが「BIND 10」の開発プロジェクトに参画

‐次期DNSソフトウェアの共同開発により、インターネットのさらなる安定運用に貢献‐


 JPドメイン名の登録管理およびドメインネームシステム(DNS)の全体管理と運用を行う株式会社日本レジストリサービス(以下JPRS、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:東田幸樹)は、本日、米国インターネット・システムズ・コンソーシアム(以下ISC、本社:米国カリフォルニア州レッドウッドシティ、代表:ポール・ビクシー)が開始する、次期DNSソフトウェア「BIND 10」の開発プロジェクトに参画することを発表しました。

 「BIND」は、ISCにより開発されている、インターネットにおいて最も多く利用されているDNSサーバソフトウェアです。DNSは、インターネットを支える基本機能の一つとして、インターネットの円滑な運用になくてはならないものですが、現行の「BIND 9」は2000年9月に公開され、今年で公開後10年目を迎えます。

 その間、インターネットの飛躍的な普及とともに、DNSサーバをターゲットにしたDDoS攻撃への強い耐性など、DNSに対する要求事項は日増しに高まってきています。また、IP AnycastやDNSSECといった、新しい技術の普及に伴い、それらをより円滑に運用することが可能な、新しいDNSソフトウェアが必要になってきました。このような状況を受け、ISCでは、「安全性」「耐久性」などに優れた次世代の「BIND 10」の開発を開始することを表明しました。

 JPRSは、「BIND 10」の開発趣旨に賛同するとともに、JPドメイン名のレジストリとして、開発の段階から積極的な参画を行うことが、インターネットのさらなる安定運用に貢献することになると考え、この度、同プロジェクトへの参画を決定したものです。なお、同プロジェクトには、CIRA(.ca)、DENIC(.de)など世界の多くのTLDレジストリが参画を表明しており、なかでもJPRSは、開発資金の提供に加え、同プロジェクトへの技術者の派遣を行うなど、開発への積極的な関与を行う予定です。

 なお、「BIND 10」は以下の機能の実装を予定しています。

  1. 安全性
    - DNSSECのフルサポート
    - DNSSEC運用者による鍵管理・鍵更新機能の標準実装

  2. 柔軟性
    - モジュール化されたデザインの採用
    - 外部モジュールや外部プログラムとの容易な連携

  3. 拡張性
    - 大規模なTLDから小規模な組み込み用システムまで広く対応可能

  4. 回復性・耐久性
    - システムログによる異常時の原因究明に必要な情報の提供
    - 外部からの攻撃等、セキュリティ上のリスクの速やかな通知と対応

 また、BIND 10も従来のBINDと同様、オープンソースのフリーソフトウェアとして、ISCによりインターネットコミュニティ全体に公開される予定です。

 JPRSでは今後も国内外のDNSサーバ運用者等と協力し、インターネットコミュニティや社会のニーズに応えるべく、インターネット全体のさらなる発展と安定運用に努めてまいります。



■参考:「BIND 10」開発プロジェクトへの参画を表明したTLDレジストリ一覧
- JPRS (.jp/日本)
- CIRA (.ca/カナダ)
- Afilias (.info)
- AFNIC (.fr/フランス)
- DENIC (.de/ドイツ)
- IIS.SE (.se/スウェーデン)
- Nominet (.uk/イギリス)
- Registro.br (.br/ブラジル)
- SIDN (.nl/オランダ)
- ZADNA (.za/南アフリカ)

■用語解説

※ISC(Intenet Systems Consortium, Inc.)
https://www.isc.org/
米国の非営利法人で、インターネット全体で広く利用されているソフトウェアの開発を行っています。ISCが開発・維持している主なソフトウェアにはBIND以外に、DHCPサーバ、NTP(NetworkTime Protocol)サーバ等があります。また、インターネットに13あるルートサーバのうち、Fルートサーバの運用を行っています。

※BIND(Berkeley Internet Name Domain)
https://www.isc.org/software/bind/
ISCで開発されているオープンソースのDNSサーバソフトウェアの一つです。現在の最新版であるBIND 9では、DNSSECをはじめとする最新のDNSプロトコルがサポートされています。

※IP Anycast
通常、インターネット上のホストに対して個別に割り当てるIPアドレスを、ある機能やサービスに対して割り当てることにより、そのアドレスを複数のホストに担当させ、経路制御により負荷分散させることを可能にするための技術。IP Anycastを用いたサーバでは、同一のIPアドレスが複数のサーバにより共有され、ユーザからのリクエストは、経路制御的、ネットワーク的に近いサーバにより処理されます。

※DNSSEC
DNSのサービスを安全に提供するための拡張機能です。DNSSECでは公開鍵暗号の技術を用いた認証を行うことにより、サーバから受信したデータの出所および内容の正当性を保証します。

※DDoS攻撃
Distributed Denial of Service Attack(分散型サービス不能攻撃)。数多くのコンピュータから同時にサービス不能攻撃を行うことをいいます。



■株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

URL:http://jprs.co.jp/
   http://日本レジストリサービス.jp/

 JPドメイン名の登録・管理、およびドメインネームシステム(DNS)の運用を行う会社として2000年12月26日に設立。JPRSはネットワークの基盤を支える企業として、インターネットの発展に寄与し、人と社会の豊かな未来を築くことに貢献することを企業理念として活動しています。

■参考URL

  1. ISCのプレスリリース(英文)
    https://www.isc.org/about/pr/2009042200
  2. ISCの「BIND 10」開発プロジェクトのサイト
    https://www.isc.org/bind10/

■本件に関するお問い合わせ先

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)広報宣伝室
TEL:03-5215-8451 FAX:03-5215-8452
e-mail:press@jprs.co.jp
http://jprs.co.jp/
http://日本レジストリサービス.jp/
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1千代田ファーストビル東館13階

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